バイクのデザインを決定づける重要な要素「フェンダー」。このフェンダーに対して、「フェンダーレスは格好悪い?」という声がしばしば耳に入ります。
では、フェンダーレスのバイクは実際に格好が悪いのか、その理由や、フェンダーを装着することの利点や必要性について詰めていきたいと思います。
バイクのフェンダーレスがダサいとされる5つの理由
バイクのフェンダーレスに対する見方は、人それぞれです。ある人には「ダサい」と映り、また別の人には全く逆の意見があるかもしれません。そんな中で、「ダサい」と感じる点を挙げながら、フェンダーレスの印象に対して批判的な視点を探ってみましょう。
デザインの調和を乱すフェンダーレス
まず考えられる理由として「デザインの調和を乱すから」というものがあります。バイクの魅力は、ひとつひとつのパーツが絶妙に調和して成立するデザインにあります。リアフェンダーは、特にバイクの後ろ姿を形作る上で、視覚的に中心的な役割を担います。
例を挙げるならば、オリジナルの状態で長めのリアフェンダーを搭載し、全体のバランスを整えているクラシックなバイクがフェンダーレスにされた場合、後ろ部分がやたらと空虚に見え、デザインの統一感が失われがちです。
さらに、デザインに関するアンケート結果によると、多くの人がバイクの外観におけるリアフェンダーの存在と視覚的バランスへの影響を重要視しています。バイクのデザイン調和を損なうことが、フェンダーレス改造が「ダサい」と批判される一因となっているのです。
見た目に関する好みの違い
フェンダーレスの外観に対しての評価は人によって大きく異なります。一部の人々からはスタイルが気に入らないと見なされることもあるのです。
見た目に対するこれらの好みは、個人の価値観やバイクのデザインへのこだわりから来ています。スポーティなデザインを好むライダーは、フェンダーレスによってもたらされる洗練された印象を評価することが多いです。
それに対し、クラシックなスタイルを好むライダーは、フェンダーレスによって伝統的なデザインが損なわれると考えることが一般的です。
バイクの改造に関する好みは年代や乗るバイクのタイプによっても異なり、市場調査でもフェンダーレス改造に対する見解に違いが確認されています。このような見た目の好みの多様性から、フェンダーレスが一部で不評を買う原因になっているのです。
理由3:実用性の大幅な低下
第三に挙げられる理由として、フェンダーレスであることによる「実用性の大幅な低下」があります。バイクのフェンダーは、泥のはね返りや雨水をブロックするという大切な機能を果たしているため、その除去はしばしば否定的に見なされます。
フェンダーは、走行する際にライダーや後方の車両を泥や水の侵入から保護する役割を持っています。特に、降雨時にはそれらの飛散を抑えるための重要な防御となります。
フェンダーレスの状態にすると、これらの保護効果はなくなり、結果的に雨や路面の汚れが直接ライダーやバイクに付着するようになります。これにより、フェンダーレス状態で遠出をするライダーからは、服が汚れたり視界が悪化したりするといった不満が寄せられがちです。
また、これは後続車への配慮欠如にも繋がり、最終的には安全性を下げる原因となり得ます。このように実用面での不便さは、見た目のカスタマイズを優先した結果発生する副作用の典型例であり、フェンダーレスが実用的でないという評価へとつながるわけです。
手放す際の価値減少に注意
第四に考慮すべきなのは、バイクのフェンダーレス化が将来の売却価値に悪影響を及ぼす可能性があるという点です。フェンダーレス改造を行う際には、将来売却する時の価値減少リスクを念頭に置くことが重要です。バイクを求める消費者の中には、オリジナルの状態を好む傾向が強く、改造された車両に対しては消極的な印象を持つ方が少なくありません。特に、フェンダーの取り外しはバイクの見た目に直接影響を与えるため、純正のデザインを評価する購入者にとっては不利に働くことが多いのです。
具体的な市場データを見ても、改造を施していない同一モデルのバイクが、改造車に比べて平均で10%以上も高い再販価格がつけられる傾向にあることが明らかとなっています。このデータは、特にコレクターズアイテムであるモデルや、良好なコンディションを保つ中古バイク市場における売却価格や取引の容易さにマイナスの影響をもたらす可能性があるということを物語っています。結果として、フェンダーレス改造を検討する際には、再販時の価値低下のリスクを充分に検討しなければなりません。
保安部品の扱いに関する問題点
フェンダーレス改造を行うと出会う五番目の問題は、「保安部品の扱いが複雑になる点」です。この手の改造を進めると、安全性に懸念点が出てくることがあります。
本来、フェンダーはナンバープレートの支持やリアライト、ウインカーなど重要な保安部品を固定するためのものです。改造によりこれらの部品を適切な場所に配置しなければならない時、視認性が損なわれたり、法的基準に反してしまう恐れが出てきます。
特に、リアライトやウインカーを低い位置への移設した際、他車にとって見えにくくなり事故の危険性が増します。日本においては車両の安全装置が高い基準を設けられており、もしフェンダーレス改造がこの規則を満たさなければ車検をパスするのが難しいでしょう。
結果として、改造が保安部品の取り扱いを煩雑にし、ひいてはバイクの安全性にも悪影響を与えるため、フェンダーレスに改造する際は細心の注意が必要です。
バイクのフェンダーレス化には法的リスクがあることを認識して
バイクをかっこよく見せるためのフェンダーレス改造ですが、実はこれ、法律で禁止されている可能性があるんです。
日本国内の法令によると、バイクの改造には厳しいルールが設けられています。転がってきた石や泥水を後方に飛ばさないよう、リアフェンダーには泥よけの役割が求められており、公道を走るには必須の装置なんですね。
例えば、車検の際、フェンダーレスのバイクは泥よけの機能が損なわれていると判断されると、安全基準に満たないとみなされてしまいます。つまり、車検に通らないわけです。
しかも、車検以外の場面で警察による検査が行われたときも、同様にフェンダーレスが安全規定に反していると認定されれば、無許可の改造とみなされてしまうかもしれません。
とはいえ、すべてのフェンダーレスがアウトというわけではありません。安全基準をきちんと満たしていれば、違法行為には当たらないんです。だから、フェンダーレス改造を計画するときは、安全基準をクリアできるよう慎重に頭を使う必要があるんですよ。
ケースバイケースですが、フェンダーレスが違法になるリスクは確かに存在します。しかし、法令を遵守し、きちんと車検をパスできる改造を心がけるべきですね。
バイクのフェンダーレスはやめとけ!取り付けるメリット
これまでバイクのフェンダーレスについて批判的な意見を検証してきました。時に「フェンダーレスも悪くない」との声もありますが、フェンダーを取り付けるメリットには目を向けるべきです。ここからは、なぜフェンダーの取り付けがおすすめなのか、その利点を詳しく解説していきます。
フェンダー装着のメリット:安全性が向上
重要な利点として、「フェンダー装着はライダーのみならず後続車にとっても安全性をアップさせる」点が挙げられます。フェンダーによって、タイヤが跳ね上げる泥や小石などの飛散が効果的に減少するため、安全性を大きく向上させることが可能です。
雨天時や未舗装路を走る際にフェンダーが欠如していると、後方の車に泥水や砂利が直接飛び散り、その運転手の視界を遮ることがあります。さらに、高速での走行では、飛び石が後続車のウィンドシールドを直撃し、交通事故のリスクを増すことになるかもしれません。
こうした問題は、事故を誘発するだけでなく、ライダーや他の利用者間の衝突を招く可能性があるため、フェンダーの設置は自身だけでなく、道路を利用するすべての人たちの安全を保つために必須です。この点からも、フェンダーの設置がもたらすメリットは大きく、全体の安全性を高める上での貢献は非常に大きいと言えるでしょう。
フェンダー装着のメリット2:清潔性の維持
フェンダーを設置すると得られるもう一つの利点は、泥や水の飛散を抑制し、バイクをきれいに保つことができる点です。フェンダーは、走行中タイヤにより巻き上げられる泥や水、小石などの汚れからバイクを守ります。
雨の日にフェンダーがなければ、リアタイヤから飛び散る水しぶきがライダーの背中やヘルメットに当たり、視界を妨げたり体を冷やしたりすることが懸念されます。
また、泥や砂がエンジンや排気系につくと、掃除が大変になるばかりか、それらのパーツが錆びたり傷んだりする速度も速める可能性があります。
フェンダーがこれらの问题を大きく抑制し、メンテナンスのコストを削減する一方で、バイクの外観を常に美しく保つことができますので、バイクメンテナンスを容易にし、一方で清潔さを維持するために、非常に有益なアクセサリーです。
【メリット3】バイクのデザインバランスの優れた調和
最も注目すべきメリットは、「バイクのデザインバランスの優れた調和」です。フェンダーの装着はバイク全体の調和を整え、デザインのバランスを向上させる効果があります。デザインという面では、単に機能的な要素だけでなく、視覚的な魅力もバイクの魅力を大きく左右します。ここでフェンダーの役割が重要となり、車体とタイヤの間の空間に適切に溶け込み、滑らかなラインを作り出して全体のエステティックを向上させます。
クラシックバイクにおいては、フェンダーがその時代特有のスタイリングを反映し、車体の流れるような美しさを際立たせることがあります。一方でスポーツバイクでは、ダイナミックなラインと結びつき、速さと力強さを表現するデザインの完成に寄与します。フェンダーレスを選択した場合、これらのデザイン上のバランスが損なわれ、統一感が欠ける可能性があります。
メーカーはバイクのデザインを慎重に作り上げており、フェンダーはその全体的な美しさを支える重要な部分です。故に、フェンダーを装着することは、デザインの観点からもバイクを最適な状態に保つために非常に重要なのです。
フェンダーレスバイクの見栄えを改善するカスタマイズ手法
フェンダーレスのバイクはスタイリッシュさに欠けることがしばしばあります。その見た目をどう改善すれば良いのでしょうか。フェンダーレスでも魅力的な外観に仕上げるカスタマイズ手法をご提案します。
【方法1】LEDテールライトの導入
最初にご紹介する方法は、LEDテールライトを取り入れるというものです。LEDテールライトを取り付けることで、フェンダーレスのオートバイの外見が劇的に向上するでしょう。
LEDなら従来タイプの電球よりも明るく、電力消費も少なくて済むため、エネルギーの効率性に優れています。さらにコンパクトで洗練された形状が多いため、フェンダーレスのバイクの近代的なルックスにぴったり合います。
例えば、カスタムバイクでよく使われる流線形のLEDテールライトは、オートバイの輪郭に沿った滑らかなフィット感を提供し、シームレスな外観を生み出します。
加えて、LEDライトの点灯パターンを自分好みにカスタマイズして、より一層の個性を表現することもできます。結論として、LEDテールライトを使ったカスタマイズは、フェンダーレスバイクの実用性とデザインの両方を向上させる有効な方法と言えます。
カスタムリアライトとウインカーの統合について
今回ご紹介する二番目のカスタマイズ手法は、カスタムリアライトとウインカーの統合です。この方式を採用することで、フェンダーレスのバイクの外観を洗練させつつ、機能も向上させることができます。具体的には、後部にある様々な装置をコンパクトにまとめ上げ、見た目をすっきりさせることが可能になります。
たとえば、オールインワンのLEDライトユニットの採用により、リアライト、ブレーキライト、ウインカーが一つの装置で機能を果たし、バイクの流線型デザインを損ねずに視認性と安全性を向上させることが可能です。こうした一体型ライトは夜間の視認性も非常に高く、ライダーの安全はもちろんのこと、デザインの一貫性も保ち続けます。
総じて、リアライトとウインカーを一体化させるカスタムは、フェンダーレスバイクをより魅力的にし、実用性にも富んだ手法だといえます。
ボディカラーに合うカスタムパーツで洗練されたデザインを
第三の方法として「ボディカラーに合うカスタムパーツの選び方」が挙げられます。バイクのカラーリングにマッチしたカスタムパーツを装着することは、フェンダーレスバイクのデザインの調和を生み出し、外観の美しさを格段に高めることができます。
例えば、バイクが黒であれば、マットなブラックのパーツを組み合わせてモダンで統一された外観を創出します。対照的に、明るい色調のバイクなら、同じトーンの鮮やかなパーツを用いて、活発でポジティブな雰囲気のカスタマイズが可能になります。
このように、バイクの本体色に適したパーツを慎重に選定することで、フェンダーレスであっても品格とデザインの美しさを保ち、印象的なバイクを構築することができます。従って、バイクのボディカラーに合わせたカスタムパーツを選ぶことは、魅力的なカスタマイズを実現するために重要です。
【Q&A】「ダサい」とされがちなバイクのフェンダーレスに関する一般的な質問
これから、フェンダーレスと評されることがあるバイクにおける代表的な疑問点について解説していきます。
【疑問1】フェンダーレス化の目的は何か?
フェンダーレス化を施す最も大きな理由は、バイクのルックスを洗練されたものに変えることにあります。
フェンダーを外すことにより、二輪車の後ろ姿がすっきりとして見え、スポーツ感あふれるモダンなデザインを手に入れることが可能です。
カスタム系のバイク、例えばカフェレーサーやストリートファイターにおいては、フェンダーレス化でその独特なスタイルをより際立たせることができるのです。
古典的なバイクに現代風のアレンジを加えたいと考える際も、フェンダーレスは避けて通れない選択肢となるでしょう。
このように、フェンダーレスにすることは、デザインを重んじるライダーが自己のスタイルをアピールする手段として用いられます。
従って、フェンダーレス化はバイクの見た目をカスタマイズするための方法として捉えられるわけです。
ショートフェンダーについての周辺の考え方
バイクのショートフェンダーが格好悪いとされることは、あくまで主観的な見解に過ぎません。
ショートフェンダーはデザインがコンパクトなことから、バイクのスポーティな印象を際立たせるというメリットがあります。
特にカフェレーサーなどのモダンクラシックバイクでは、ショートフェンダーによりその流線型のシルエットをぐっと引き立てられることがあります。
その結果、シックな見た目のバランスを維持しつつ、よりスタイリッシュに見せることができるため、ショートフェンダーが好まれる傾向にあります。
バイクという乗り物のスタイルやオーナーの好みが多様であるため、一概にショートフェンダーが格好悪いとは言えないのです。
全体のデザインにマッチしているかを見極めることが重要であるため、ショートフェンダーは多くのライダーにとって、価値あるカスタマイズの選択肢となっています。
【疑問3】バイクのフェンダーはどの位置に装着されているのか?
「バイクのフェンダーはどの位置に装着されているのか?」という疑問に答えます。バイクでは、フェンダーが2カ所に設置されています。前方の輪に装着されるのがフロントフェンダーで、後方の輪の上部またはそばに取り付けるのがリアフェンダーです。
フロントフェンダーの役割としては、走行中に前輪が巻き上げる水や泥、小石などの飛散を抑えることで、ライダーの視界の確保と安全運転をサポートします。反対にリアフェンダーは、後輪からの飛び散り防止の他、車両のナンバープレートやリアライト、ウインカー等を取り付けるベースとしての機能も果たしています。
リアフェンダーはデザインにも大きく関与しており、バイクの見た目にも影響を及ぼします。したがって、フェンダーは安全性を高めるだけではなく、バイクのデザインを整えるためにも欠かせないパーツであると言えるでしょう。
バイクのフェンダーレスについてのまとめ:評価の低さとその理由
バイクのフェンダーレスに対する評価が低いとされる理由と、その必要性に関して整理しました。バイクのフェンダーレスがダサいと感じられる主な理由は以下の通りです。
- デザイン全体の調和が損なわれるため
- 外観に対する個々の好みが大きく分かれるため
- フェンダーが持つ元々の実用性が大幅に失われるため
- 保安部品を適切に扱うことが困難になるため
- 再販時の価値が下がるリスクが存在するため
フェンダー自体やそれに関連する保安部品は、バイクの機能性や安全面に影響を及ぼす重要な要素です。