地域にある教習所について調査した際、「非公認」という言葉が出てきて少し戸惑っています。また、料金を比較してみたところ、非常にリーズナブルな価格になっているので、その理由が気になるところです。
非公認教習所とはいったいどのような場所なのでしょうか。また、そこで本当に適切な免許を取得することができるのでしょうか。
そういった疑問にお応えするために、この記事を作成しました。
市場には数が少ないながらも「非公認教習所」が実在し、これらは一般的な教習所よりも価格が安く設定されているのが特徴です。
たとえば普通免許の料金を比較すると、以下のような差があります。
- 公認教習所:25万円〜
- 非公認教習所:17万円〜
料金の違いは一見すると大きく感じられますが、実際には17万円だけで免許を取得するのは難しいケースが多いので、その点には注意が必要です。
この記事では、公認教習所と非公認教習所の差異について解説するとともに、非公認教習所で免許を取得するプロセスを詳細にわたってご説明します。
公認教習所と非公認教習所の違いとその性質
公認教習所と非公認教習所の主な差異は以下の通りです。
- 公認教習所 → 国により公式に認可されている
- 非公認教習所 → 国による公式の認可は受けていない
「国の指定」とは、事実上の信頼の証と考えることができます。しかし、非公認教習所が国の指定を受けていないとはいえ、違法行為を行っているわけではないので、ご理解いただくと良いでしょう。
非公認教習所とは?国からの指定はない教習所
非公認教習所は、国の指定を受けていないため、練習のサポートしかできません。しかし、免許を取得するためには以下の試験をパスしなければならないのです。
- 運転適性検査
- 仮免許の運転試験
- 仮免許の学科試験
- 本免許の運転試験
- 本免許の学科試験
これらの試験は教習所で受けることができず、免許センターで行うため、都度通う必要があります。
免許センターにおける運転試験の合格率はわずか5%
によると、受験者515,353名に対し合格者は25,560名で、これは約4.95%の合格率です。この数字は年々あまり変わらず、おおよそ5%と見てよいでしょう。
そのため、一発試験で合格する人は非常に少数です。免許センターの試験は落ちやすくなっており、さらに現役警察官の厳しい評価によって合格が更に困難になります。
厳しさを増す試験担当の警察官
試験担当の警察官は、自分が合格させた人が事故を起こすことがないよう、厳しいチェックを行います。もし事故が起これば、警察官にも責任が問われる可能性があります。
不利な条件下で受ける運転試験
- 慣れない車での試験
- 初めてのコースでの試験
- 警察官の厳しい監督下での超緊張状態
練習は非公認教習所で行っても、試験場で普段使用していない車とコースを使用するため、馴染みがなくなります。本来から厳しい試験に加え、緊張により合格がより遠のくことも多いのです。一度目で合格する可能性は教習所関係者に限られることが多いです。
もし非公認教習所で免許を取る場合は、試験を複数回受ける覚悟で入校することをお勧めします。
公認教習所とは?国の指定を受けた教習所のこと
公認教習所とは、具体的には国が指定した教習所を指します。このような教習所には以下のような利点が2つあります。
- 教習所で直接的な運転試験を行うことができる
- 教習所で仮免許の学科試験を受けることが可能
指定教習所で学ぶ生徒は、卒業するまでに大部分の試験を終えています。残る試験は、免許センターで行われる視力検査と本免許の学科試験のみです。
免許を取る人の90%以上が指定教習所を卒業している
多くの人が指定教習所を選ぶ理由としては、計画通りスムーズに免許を取得しやすいことが挙げられます。
- 実践で使用した車両で試験を受けられる
- 慣れ親しんだコースで試験を受けられる
- お馴染みの教官が試験監督をする
これらの条件により、ほとんどの受験者が一回で試験をパスしています。教習のスケジュール通りに免許を取りたい方には、指定教習所が推奨されます。
指定教習所には「練習時間の縛り」が存在する
安全を考慮し、運転練習時間には法律に基づく制限が設けられています。
- 教習所内の運転練習は1日につき2時間まで
- 公道での運転練習は1日につき3時間まで
これは過労による運転事故を予防するための措置です。普通免許取得を目指す場合は、速くても最短で2週間は見込む必要があることを認識しておくことが大事です。
非公認教習所の「速さ」と「低価格」に惑わされないために
「速い」と「安い」を強調する非公認の教習所もありますが、このような宣伝が本当の意味でのメリットをもたらすとは限りません。実のところ、「早く終わる」というわけではなく、必ずしも「安い」というわけでもないので、これらの言葉に油断することなく、慎重に選択を行いましょう。
非公認教習所が訴求する「速さ」の2つの理由
非公認教習所では、「早く免許を取得できる」という点を強調しがちですが、その背景には以下の2つの特徴があります。
- 自由に決められる練習時間
- 学科の授業が省略されていること
一日に何時間でも運転練習が可能
一般的な非公認教習所では、一日に3時間から5時間程度の運転練習が基本とされています。しかし、状況に応じては、最大で一日8時間の訓練が受けられる場合もあるのです。一部にはわずか2〜3日間の練習で試験に挑む受講者もいます。ただし、一日に多くの時間を運転練習に割いても、免許取得に至るまでの日数が延びがちなので、結果としてトータルでは時間がかかることもあるのです。
学科教習は自己学習のみで完結
指定された教習所での免許取得プロセスには、通常26時間の学科教習が含まれていますが、非公認教習所の場合はその学科教習が一切なく、テキストを用いた自習のみで済ますことができます。すでに交通規則についての知識がある人や、自己学習が得意な人にとっては、この点が免許取得にかかる時間を短縮する要因となるでしょう。
非公認教習所が「低価格」を前面に出す背景
非公認教習所が他と比べて価格が低いと宣伝するのには、主に2つの要因が関係しています。
- 学科教習を行わないこと
- 専用の練習コースがないこと
以下でこれらの要因を詳しく説明します。
学科教習を除くことで費用を抑える
学科教習にかかる26時間分の料金が免除されるため、非公認教習所では指定教習所に比べて教習料金が低く設定されています。指定教習所での学科教習料金は約5万円から10万円とされており、この差が非公認教習所の料金がリーズナブルである理由としてアピールされています。
非公認教習所は練習場所を借りている
教習所としての専用コースや車両を所有せず、外部の施設を利用することで、固定の維持費を節約し、その分を教習料金の削減に反映させています。利用する練習場所は、各地域に存在する施設の中から適宜レンタルする方式となっております。
非公認教習所の実際の費用について
各教習所で料金設定に差が見られる上、受講者の能力や合格までの期間の違いにより、一概には言えませんが、参考までに目安をご紹介します。
私立の運転学校で必要な最低費用
入学金 | 17万6,000円 |
仮免許受験料 | 3,350円 |
仮免許交付料 | 1,150円 |
本免許受験料 | 3,350円 |
免許証交付料 | 2,050円 |
取得時講習料 | 15,400円 |
上記の費用を合計すると、一度の試験でパスすれば、合計で202,100円となります。しかし、以下の余分な費用も忘れてはいけません。
- 教習所への往復交通費
- 練習コースへの往復交通費
- 免許センターへの往復交通費
教習所の費用とこれらの交通費を加えると、国立や公立の教習所のコース料金とほぼ同じになることがお分かりいただけるはずです。
全試験を一発合格することはまれ
免許取得の道のりで、全ての試験に最初の試みで合格する人はほとんどいないと言われています。万が一、複数回の受験が必要になった場合には、追加で発生する経費は以下の通りです。
各交通費 | ???円 |
再受験料 | 3,350円 |
教習所の補習(1時間分) | 5,000円 |
試験を一度受ける度に3,350円が必要となり、試験のための補習を受ける毎に5,000円支払うことになります。結果、試験に落ちるごとに約1万円が追加でかかることになります。なお、公認教習所での免許取得の平均費用は25万円程度なので、四度以内に合格できれば、経済的には得をする計算になります。
教習所を非公認で利用するメリット
運転免許を失効してしまったり、取り消しとなった場合でも、公認の教習所より非公認の教習所を選ぶと、スピーディーにそしてコストを抑えて免許を再取得可能です。
その背景には、主に以下の3つの理由が挙げられます:
- 一度免許を取得した経験から既存の知識とスキルを有している
- 既に運転経験者にとっては、公認教習所のプログラムが単調に感じられる
- 非公認教習所では、費用が約5万円から始まるという低価格で免許取得が可能
公認教習所では、以前に免許を持っていた人も新たに全額を支払う必要があります。一方、非公認教習所では必要なだけの練習を積んだ後、自信があれば試験を受けられるので、出費は必要最小限に抑えられます。
しかし、初心に立ち返ってじっくり学び直したいという方にとっては、非公認教習所は適していないかもしれません。
充分な運転経験を持ち、コストや時間の節約を重視する方以外には、公認教習所の利用が推奨されるでしょう。
最後に:合宿免許が非公認よりもコストパフォーマンス高い
公認教習所の合宿免許は、季節によって違いはありますが、コストと効率を考えるとおすすめです。生活必需品がついているにもかかわらず、非公認教習所より安価で、しかも早期に免許取得が可能です。長いバケーションがとれるのであれば、合宿免許の方が経済的にもメリットが多いでしょう。
- 通常の通学式教習に比べて費用が大幅に安い
- 短期間で運転免許を取得可能
- 追加教習や延泊が追加費用なしで保証されている
- 新しい人との出会いがたくさんある
- 観光地を割安に楽しむことができる
- ビュッフェスタイルの食事やご当地グルメが堪能できる
- 豪華ホテル顔負けのエンターテインメントサービスがある
- 遠方からの交通費支給制度があるため、評判の良い教習所を選びやすい
これだけのメリットがある合宿免許は、人気の教習所ほど予約がすぐに埋まってしまいます。定員制であるため、通学方式とは異なりますが、一般的には予約を1〜2カ月前に済ませることが推奨されます。早めの予約が肝心ですので、定員いっぱいになる前に、教習所の予約スロットを押さえておきましょう。