CB400SFのおすすめの年式は?
多種多様なバリエーションが登場してきたCB400SFですが、年度ごとにデザインや仕様が異なるため、どれを選んだらいいのか迷ってしまうこともあるでしょう。あなたが求める「かっこいいCB400SF」を見つける手助けとして、CB400SFの年式間の差異について解説していきます。
CB400SFの由来とその進化
1992年にPROJECT BIG-1の元で誕生したCB400SFは、その4気筒400ccエンジンとネイキッドスタイルで人気を博しました。そして、何度にもわたるモデルチェンジを経て、2022年に生産が終了しました。何世代にも渡る変遷の中で、CB400SFはどのように進化してきたのでしょう?おすすめの年式をピックアップするため、その背景に迫っていきます。
CB400SFのおすすめ年式はV-TEC3
私が特に推薦したいのは、2004年以降のモデルであるV-TEC3です。この年式からいくつかの改良が加えられています。
- HYPER V-TECの作動するエンジン回転数や条件が見直されました。
- デザインがより鋭角的でカッコよくなり、LEDの導入によってテールランプも洗練されました。
- シートの形状が改善されており、足を地面につけやすくなっています。
- 盗難防止対策としてイモビライザーが装備されています。
- 価格帯も手頃で購入しやすくなっている点も魅力的です。
HYPER V-TECの作動回転数と条件の見直し
現行のHYPER V-TECシステムは、V-TEC2をベースに据えつつも、作動するための回転数や条件が見直されています。具体的には、以下のように変更されています。
- 1速から5速まで:6,300rpm
- 6速:6,750rpm
1〜5速においてはV-TEC2と同じ数値を保っていますが、6速だけは6,750rpmに設定が変更されています。その結果、高速道路でのクルージング時にも燃費を向上させるとともに、よりスムーズな乗り心地へと貢献しているのです。
CB400SFにおいては、6速での走行時に約100km/hで巡航すると、エンジン回転数はおおむね6,300rpm付近となります。V-TECの作動によるオンオフが100km/hのクルージング時に起こると、ライダーへの負担増加やバイクへの影響が心配されるため、6速に関してのみ回転数設定が調整され、快適な走行と燃費の両立が図られています。
尖ったテールデザイン・LEDテールランプ
V-TEC3における大幅な変更点の一つに、テールエンドのデザイン変更が挙げられます。注目すべきはLEDテールランプの導入です。
以前のモデルでは角ばって大きめだったテールランプが、LED採用により細長く尖った形状に一新されました。これによりV-TEC3は一段とスタイリッシュな外観を手に入れたのです。
リアビューの変化は目を惹きます。ファンダーレスカスタムを好むユーザーにとって、V-TEC3以降のモデルではリアエリアをさらに魅力的にカスタマイズする余地が広がりました。
改良されたシート形状で乗り心地がアップ
V-TEC3においては、シートのデザインに変更が加わりました。それに伴い、シートの高さが760mmから755mmへと微妙に低下し、より跨ぎやすい形状へと進化しています。
特に太ももに接する部分を削ることで、シートの高さが5mm低くなった分以上に乗りやすく、足付き性が改善されています。
また、シートベルトがなくなり、代わりにグラブバーが設置されたのもV-TEC3の新しい特徴です。見た目にもスタイリッシュで、リアシートに荷物を載せる際にも利便性が高まりました。
イモビライザーシステムの概要
イモビライザーはV-TEC2シリーズに搭載されて以来、革新的な機能として注目されてきました。エンジンを始動するためには、鍵と受信側の信号が一致する必要があります。
このため、単に鍵を盗まれても、無断でエンジンをかけられる心配がありません。この技術はバイクの盗難防止に大きく寄与するメリットがあります。
しかし、イモビライザー付きの鍵を全て紛失した場合、代替の鍵を作るコストは高額になりがちです。物を失くしやすい方は、予備のスペアキーを複数作成しておくことをお勧めします。
イモビライザー対応のスペアキー作成には通常よりも高いコストが掛かりますが、すべての鍵を無くした後に慌てるよりも、前もって準備をしておいた方が良いでしょう。
お手頃価格帯の中古市場
CB400SFの中古車市場を見渡すと、お手頃な価格で購入可能な範囲はだいたい50万円から90万円といったところです。2022年10月の生産終了以降、CB400SFの価格は全般的に上昇傾向にありますが、V-TECの第3世代であるV-TEC3は新しいV-TECRevoに比べると格段に手が出しやすい価格帯に収まっています。
V-TECRevoの中古市場では、ほとんどの車両が100万円を超える価格設定になっているため、V-TEC3は100万円未満の費用で購入できることが多く、購入しやすいという点ではメリットがあると言えるでしょう。もちろん、それでも相応の予算は必要ですが。
CB400SFの年代ごとの変遷
PROJECT BIG-1を通じて初めて市場に出現。その頃、400cc級のネイキッドバイク市場はカワサキのゼファーが圧倒していた時期です。
しかし、そんな中でもホンダは4気筒の400ccネイキッド、CB400SFをリリースしました。このモデルの前に販売されていたホンダ製のCB-1は、あまり市場に受け入れられませんでした。
セパレートハンドルがレーサーレプリカ風であったり、デザイン全般があまり好評ではなかった上に、燃料タンクの容量が小さく不便とされていました。
カワサキ製のゼファー400と比較しても、デザイン面や人気においても見劣りがしてしまったのです。CB-400Fの後継モデルとして一新されたCB400SFは、多くの人々に支持され、速やかに人気モデルとなりました。
このバイクの特徴は水冷4気筒エンジンにあり、その完成度の高さが評価されています。
CB400SF ver.R
一方で、CB400SFにビキニカウルを装着したバージョンであるver.Rもあります。専用設計のビキニカウルと独自のヘッドライトが特徴です。
走行時の風を軽減するビキニカウルは機能的ではありますが、デザインが受け入れられず、販売面では苦戦を強いられました。機能的には優れているものの、ユーザーフレンドリーとは言いがたい部分も存在しています。
CB400SF ver.S
ビキニカウルの不人気を受けて、ver.Rからの変更点の一つに、オリジナルの丸型ヘッドライトへと戻したver.Sがリリースされました。さらに、このモデルからはフロントブレーキキャリパーが高性能なブレンボ製へとアップグレードされました。
そして1999年、CB400SFはフルモデルチェンジを行い、より洗練されたバイクへと進化を遂げました。
HYPER V-TECの魅力
今回の話題の中核をなすのは、HYPER V-TECという技術です。エンジンが6,750回転を超えると、驚くべき変化が起こります。その瞬間、通常の2バルブから4バルブへと自動的に切り替わり、エンジンの性能が飛躍的に向上するのです。
この変化により、燃費の効率が格段に向上する上、加速時のレスポンスも大幅に改善されます。乗り心地としては、低回転域ではトルク豊かな2バルブでスムーズな走りを実現し、一方で高回転域においては、4バルブによる爽快な加速感を享受できます。
外観からは見分けがつきにくい変更点もあります。たとえば、標準装備されたタイヤのグレードアップです。従来のバイアスタイヤからラジアルタイヤへと進化し、これにより走行時の負荷がかけやすくなりました。ハードに走る方々にとっては、熱烈に歓迎される点でしょう。
HYPER V-TEC2への進化
しかし、V-TECの魅力を最大限に引き出す回転数が6,750回転では高いというユーザーの声がありました。その声に応えるべく、バルブ切り替えのタイミングを6,750回転から6,300回転へと前倒しすることが決定し、これによりHYPER V-TEC2が誕生しました。この変更により、V-TECが発揮する性能をより早く、より簡単に体感できるようになりました。
HYPER V-TECシリーズの新たな進化
進化を遂げたHYPER V-TECには、さまざまな改良が加えられています。作動するエンジン回転数や条件の見直しによって、運転感が向上。
また、尖ってかっこよくなったテールデザインに加え、LEDテールランプが採用されています。さらに乗り心地の改善としてシートの形状を見直し、足付き性も良くなりました。
さらなる機能性を追求して、イモビライザーも搭載されています。価格の面でも購入しやすい範囲に設定されていることから、多くのユーザーに手が届きやすいモデルとなっています。
これらの変更点は、バイクの魅力をさらに引き出すポイントです。筆者が特に推すのは、テール周りのデザインの一新です。かつては伝統的な見た目のテールランプが使われていましたが、LEDランプの採用によってスタイリッシュな後姿へと変貌を遂げたのです。
バイク専門の店で働いている身としても、よくお客様から人気を聞くのがこのV-TEC3以降のモデルです。中古車市場での価格帯ともバランスが良く、筆者自身も心からお勧めしたいと感じています。
2007年の規制変更に伴い、数多くの4気筒400ccネイキッドバイクが製造中止となりました。
カワサキのゼファー400やZRX400、ヤマハのXJR400R、スズキのインパルスなどがその例です。
しかしながら、ホンダのCB400SFは大幅なモデルチェンジを果たし、厳しい排ガス基準をクリアすることに成功しました。
- キャブレターからFI(フューエルインジェクション)への変更
- エンジンの回転数だけではなく、アクセルの開度に応じてもバルブの動作タイミングが変化する
このFI化が同モデルにおける大きな変更点です。元々の目的は排ガス基準の達成でしたが、ECUによる燃料調整により、排出ガスのクリーン化だけでなく燃費の向上も実現しました。
その結果、燃料効率が良くなり、従来のキャブレター式よりも取り扱いが容易になるというメリットがもたらされました。
他のメーカーが4気筒400ccクラスから撤退し、生産を終える中、この時期のバイク市場ではホンダが実質的に独占状態になりました。
モデルアップの詳細
この度、当モデルはマイナーチェンジを実施し、いくつかの注目すべき変更が施されました。特に大きな変更点は、10本スポークのキャストホイールの採用です。これにより、足元の印象が劇的に変わり、その結果としてバイクの全体的なイメージが一新されました。
新たなデザインのグラブバー
グラブバートのスタイルも変更され、セパレートタイプへと進化しました。
ヘッドライトのLED化
2017年モデルより、ヘッドライトがLED仕様に変更されました。
Eパッケージの導入
更なる快適性を求めるユーザーのために、ETCとグリップヒーターを初期装備したEパッケージモデルもラインナップに加わりました。
馬力規制の撤廃
また、馬力の自主規制も撤廃され、53psから57psへとパワーアップしています。
なお、このモデルは2022年10月をもって生産終了となりました。現時点では生産再開に関する何らかのアナウンスはございません。
CB400SF V-TEC3がオススメ!その魅力とは
CB400SFは幅広いライダーに支持されるバイクシリーズですが、特に私のおすすめはV-TEC3モデルです。その理由を簡潔にご紹介します。
- HYPER V-TECが作動する回転数や条件が見直されたこと
- テール部分がよりシャープにデザインされ、LEDテールランプが採用されてスタイリッシュ
- シートの形状が改良されたことで、足付き性が良くなり、操縦しやすくなった
- 盗難防止機能であるイモビライザーの搭載
- 購入しやすい価格設定で、新車よりもお手頃な50~90万円の中古市場
さらにV-TEC3を推す大きな理由は、生産終了後も中古価格が上昇しているにも関わらず、V-TECRevoなど100万超えが一般的なモデルと比べても、相対的にお買い得であることです。この魅力につい可否を見極めてみてください。