「XSR700をスクランブラースタイルに仕上げたい」という希望をお持ちの方々へ、この記事では国内では手に入らないレガシーと呼ばれる海外モデルのようにカスタムするための情報をご提供します。スクランブラー仕様の魅力に惹かれ、それを実現したいとお考えの方は多いに違いありません。
以下では、XSR700専用の市販スクランブラーパーツの種類、組み上げる際の総費用について、海外モデル「XSR700レガシィ」を参照しながら詳しく説明していきます。スクランブラー化に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
XSR700スクランブラー レガシィの魅力
情報提供元:YAMAHAのイギリス向け公式サイトで紹介されている、海外専売モデル「XSR700 レガシィ」。この記事では、同サイトの内容をもとに特徴を解説します。
現在の両替レート(1ポンド=181円)で換算すると、イギリスの価格£8,910.00はおよそ1,615,000円。もっとも、これは執筆時点のデータに基づくものです。日本国内でのXSR700の販売価格が1,001,000円であることを考慮すると、相当なプレミアム価格と言えますね。
日本に居ながら手に入ることを喜ぶライダーも少なくないはずです。特にスクランブラースタイルを好む方々にとっては、粗野な走行も可能なオフロード向けのヘルメットが見栄えすることでしょう。
スクランブラー然とした特色
スクランブラーとしての意匠は、特にブロックパターンのタイヤやハンドルに顕著です。加えて、ブーツカバーやエンジンのアンダーガード、ライディングステップなど細部のディテールにも工夫が凝らされています。
高級感あふれるマフラーを筆頭に、他の要素は割と手頃な価格で手に入ります。国内ではスクランブラースタイルに合う様々なパーツが販売されており、それらを組み合わせて個性を演出することができます。
それでは、国産のスクランブラーカスタムパーツを部位別に見ていきましょう。
XSR700スクランブラー マフラー
海外市場で取り扱っているアクラポビッチ製のハイマウントマフラーが、ある動画で使用されているものと同型です。ただし、このマフラーは一部の規制をクリアしていないため、注意が必要です。
アクラポビッチの公式ウェブサイトではECやECEの承認を受けていますが、日本での車検に合格するとは限りません。ヤマハが純正オプションとして採用していることからユーロ5に適合している可能性は高いですが、ユーロ5適合証明書が同梱されない場合があるので、購入は自己責任で行ってください。
海外での価格は約34.5万円ですが、日本国内で並行輸入品を購入しようとすると39万円からの価格となるでしょう。対応年式は2022年式からです。
欧州ヤマハ純正 XSR700 21-22 アクラポビッチ
2018年から2021年のXSR700用としては、MIVV社製のアップスタイルマフラーが存在します。これは規制に適合しておらず、そういったマフラーの中で唯一無二の存在です。概算の価格は19万円程度です。
MIVV ミヴ GHIBLI BLACK フルエキゾーストマフラー XSR700
規制を満たすスクランブラーマフラーモデルが現在市場には存在しないため、これを含めた概算価格の算出には加えていません。
XSR700スクランブラー用のハンドルセレクション
あなたのバイクをもっと個性的なスタイルにしたい時、選択の一つに「XSR700スクランブラー」用のハンドルがあります。以下にそのオプションを紹介します。
首元のアイコン部分でモデルを認識し、自分のバイクにぴったりのハンドルを見つけましょう。
XSR700モデル | ブランド |
---|---|
XSR700レガシィ | ハリケーン |
ハリケーンの「トラッカースペシャル」は広範囲に対応しており、スイッチの穴を開ける必要がある汎用品です。新しいモデルを持っている方は、既存のワイヤーで対応できると思われます。
アップ/ダウン調整 | 前後調整 |
---|---|
2018-2021年式: +20mm | 手前に+20mm |
2022年以降: -10mm | 20mm遠く |
2018年から2021年の間の年式については、ご相談ください。現時点でXSR700向けの交換用ワイヤーは販売されておらず、ハリケーンのモデルが最も交換無しで適合する可能性が高いとされています。なお、デイトナのハンドルは幅が広いため注意が必要です。
対象のハンドルは、価格帯としてはおよそ5,000円からとなっていますが、取り付けには28.6mmの変換スペーサーが必要であり、ブリッジは付属していません。
XSR700スクランブラー専用タイヤ
YAMAHAが提供するXSR700レガシィモデルに採用されているタイヤは、ピレリ製のMT60RSデュアルパーパスタイヤです。このタイヤは国内でも購入可能です。
フロント | リア |
---|---|
120/70 ZR17 M/C (58W) TL | 180/55 R 17 M/C 73H TL |
23,700円 | 36,900円 |
※画像リンクはリンク先で確認いただけます。
提案されたモデル以外でも、サイズが合っていれば、ブロックパターンタイヤを選べばスクランブラーカスタムにマッチすることでしょう。快適なオンロード走行を考慮すると、このようなデュアルパーパスタイヤがおすすめです。タイヤの費用総額は60,600円と見積もられています。
XSR700スクランブラーシートについて
バイクシートの種類や価格帯についてご紹介します。XSR700のカスタマイズを考えている方にぜひ参考にしていただきたい内容です。
メーカー | YAMAHA純正 | KEDO | シーレーサー | ||
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タイプ | フラット | シングル | ローダウン | スクランブラー | |
イメージ | 商品ページ | ||||
参考価格 | 44,600円 | 33,700円 | 50,600円 | 59,200円 | 47,700円 |
XSR700のシートは全ての年式に対応しています。私のおすすめは、シーレーサー製のスクランブラースタイルのシートです。他には、YAMAHA純正のフラットタイプやKEDO製のシングルタイプもデザイン性が高く素敵です。
フラット | シングル |
ただ、シングルタイプのシートでは収納や積載に不便さが出る場合もあるため、実用性を重視するならばYAMAHA純正のフラットタイプが最も適していると考えられます。
シートの概算費用は45,000円程度を想定しています。
XSR700スクランブラー ブーツカバー
ブーツカバーは純正品を手に入れることが可能です。純正のブーツカバーはいずれの年式にも適合します。価格はおおむね11,600円程度で、コストを抑えたい場合は汎用タイプのブーツカバーも選択肢の一つです。
このブーツカバーはインナーチューブを保護する効果があるだけでなく、外観のカスタマイズだけでなく機能的な改善も図れます。
XSR700スクランブラー専用ヘッドライトグリル
XSR700スクランブラー専用のヘッドライトグリルが、オフィシャルで取り扱われております。なお、2022年にモデルチェンジされた車種向けの製品になります。
φ180mmのグリルについては、幅広い汎用品が市場に出回っており、多くが5,000円未満でお求めいただけます。しかし、こうした部品の大部分は接着用の両面テープでの固定が主流であり、光の透過性については十分な配慮がされていないケースが多いです。
そのため、光量を確保したいと考えるならば、オリジナルの純正品の方がおすすめです。純正品は16,500円となっており、これを費用として想定してください。
【メーカー取寄せ品】ヤマハ純正 Q5KYSK135E03 ヘッドライトカバー XSR900 ’22年モデル以降対応
XSR700スクランブラーヘルメット
フルフェイス | ジェットヘルメット |
スクランブラースタイルを醸し出すライダーの間でフルフェイスヘルメットとスマートなジェットヘルメットが人気です。これらのヘルメットは、ゴーグルやバイザーを装着することが可能です。
フルフェイスに比べると快適さでは劣るものの、スクランブラーカスタムとの相性の良さは抜群です。定番ブランドであるSHOEIのEX-ZEROは、およそ5万円の価格で提供されていますが、予算の都合がつかない場合には、他メーカーからも似たデザインのヘルメットが発売されています。
- TT&CO
- ダムドラックス
- リード工業
これらのメーカーからも、同様のスタイルを持つヘルメットが出ていますが、サイズのバリエーションが限られているので、選ぶ際には注意が必要です。ゴーグルやバイザーを自分の好みで選んで、スクランブラースタイルを完成させましょう。
XSR700スクランブラー 概算価格
マフラー | 390,000円 |
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ハンドル | 5,000円 |
タイヤ前後 | 60,600円 |
シート | 45,000円 |
ブーツカバー | 11,600円 |
ヘッドライトカバー | 16,500円 |
合計価格(マフラー込み) | – 483,700円 |
合計価格(マフラー除く) | – 138,700円~ |
合計金額(タイヤを除く) | 78,100円~ |
マフラーを含めた全体の金額は相当なものになるものの、マフラーを取り除けば手に取りやすい価格帯となります。タイヤに関しては、摩耗品であるため、次の交換タイミングでブロックパターンのものに変えても問題ありません。
さまざまな汎用品を使った組み合わせで5万円以下でもスクランブラースタイルに変更することができます。5万円でスクランブラースタイルに変身できれば、カフェレーサースタイルに挑戦するよりもコストを抑えられるでしょう。
※工賃が発生する場合があります。
XSR700レガシィにはステップやサイドカバー、ラジエターカバーなどいくつか違いがあります。市場には少ない種類しか販売されていないかもしれませんが、アレンジを加えるのも一興です。
モデルチェンジ後のユーザーは特に、セパハンへの変更に際して考え込むことでしょう。カフェレーサーも格好良いスタイルですが、スクランブラースタイルの導入も検討するのもよいでしょう。気になる商品が見つかれば、ぜひチェックしてみてください。
XSR700スクランブラーに関する総まとめ
オンロードもオフロードもこなすスクランブラータイプへと変身させましょう。ただし、一部のパーツでは車種による適合が異なる場合があるため、選ぶ際は細心の注意が必要です。
純正の状態でも魅力溢れるXSR700を、スクランブラーカスタムを施すことで一段と魅力的なバイクに変えていくのはいかがでしょうか。
最後まで本記事をお読みいただき、誠にありがとうございます。