SV650の購入を検討すると、どうしても「持病」という言葉が気になりがちです。そんな不安を抱えている方は少なくないでしょう。
しかし、心配する必要はほとんどありません。なぜならリコール対策を施された車体、またはリコールの影響を受けない年式のバイクは、全く問題がなく、信頼性の高いエンジンを搭載しているからです。
このテキストでは、SV650およびSV650Xが抱えると噂される問題点や、ユーザーたちが何に気をつけているのかについて、具体的にご紹介します。
記事を読む際にご理解いただきたいのは、SV650が非常に魅力的で人気のあるバイクであることは間違いないのですが、本稿では良い面だけでなく、一般に言われる悪い点にも焦点を当てていくという点です。
バイクモデルSV650には、「持病」と称される特定の問題が存在します。これは、その車種特有の不具合や特徴が原因で、通常の使用過程で見受けられることが多いため、所有者や愛好者の間でそのように呼ばれることがあります。
SV650 ECUリコール情報
SV650において、平成29年にECUに関するリコールが公表されました。このリコールの原因は、ECUのソフトウェア不具合で、吸気温度センサの異常があった際に、その故障を適切に検知できないことにあります。
この不具合により、エンジンの警告灯が点灯しないという問題が指摘されました。該当する年式の車両には、新しいプログラムを搭載したECUへの交換が施されました。リコールの詳細は以下の通りです。
車名 | 型式 | 通称名 | リコール対象車の車台番号及び製作期間 | 対象車の台数 |
---|---|---|---|---|
スズキ | 2BL-VP55B | 「SV650」 | VP55B-100009~VP55B-100988 平成28年7月21日~平成29年1月6日 |
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長年にわたるエンジンの改良
SV650シリーズは、1999年に誕生した初代モデルを起源としています。その後2003年に第二世代が登場し、さらに2009年にはグラディウスとして継承される形で進化を遂げてきました。このエンジンには、20年以上の歴史が刻まれています。
同様にVツインエンジンを採用した競合車種としては、HONDAのVTR250やYAMAHAのドラッグスターシリーズが存在しましたが、どちらも現在は生産終了となっています。
その一方で、令和2年度の排ガス規制の影響を受け、SV650も生産の終了が噂されました。しかし、エンジンを8BL規制に適合させることで対応し、今もなお市場で販売され続けています。長い年月を経て熟成されたエンジンは、多くのユーザーや愛好者から支持され、愛され続けています。
SV650の持病とは無関係な不具合について
造りについての評判
SUZUKI車には「作りが雑」という声が聞かれることがありますが、他のメーカーにも共通した意見ですし、特にSV650に限られた話ではないのです。例えば、Vストローム250においては、よくそのような指摘を受けることがあるようです。
確かに製品によって個体差が存在することは認めなければなりませんが、SV650の場合はVストローム250と異なり、国内の豊川工場で生産されているため、品質に関しては比較的安心できるといえるでしょう。
それに、ほかのメーカーの製品に関してSNS上で不具合報告を頻繁に行う方が見受けられる中、SUZUKI車についてはそのような報告が少なく、結果的に信頼性が高いと捉えることができます。
SV650/Xのサイドカバー取り付け部についての注意点
SV650/Xについて、フレームのリアカバーの取り付け爪が、割れやすいという意見がいくつか寄せられています。実際に、細部の設計が割れやすい形状をしていることが原因と思われます。
取り扱いには十分注意して特にトルクのかけ過ぎには気をつけましょう。更に新車時には問題ないものの、プラスチック製品は時間が経つにつれて劣化し、より破損しやすくなってしまいます。転倒などのアクシデントがあった場合には、割れや損傷が無いかを確認することが大切です。
SV650の慢性的な特徴としては、言及すれば感染力が挙げられる
鈴菌感染について
鈴菌とは、スズキ製バイクに対する強い愛情を抱く人達に見られる、2ちゃんねるで生まれた架空の感染症のことを指します。特にSV650/Xには、その感染要素が備わっています。肝要なのは、そのユニークなポジショニングです。
たしかに、Vツインエンジンを搭載したSV650は、国内の現行モデルの中で唯一無二の存在です。特徴を端的に説明するならば、まさに「ドゥルルルル」というエンジンの鼓動がそれです。ドカティやヤマハのバイクとは異なる、このパルス感には中毒性があるとも言われています。
初めのうちは、エンジンの振動が少し気になるかもしれません。しかし、時間が経つに連れてその感覚にも慣れていくもので、やがてはその振動がなければバイクを運転している実感が湧かなくなるほどです。
SV650を一度運転すると、もう後戻りはできません。運転距離が伸びるごとに、ひたすら鈴菌に侵されていくのを感じることでしょう。
手軽な操作性が魅力のスタンダードモデル
SV650は、スタンダードなデザインが目を引くネイキッドバイクであり、余計な電子制御や派手な足回りなど目を引く装飾を排した素朴な魅力があります。
最先端の電子機能がないからこそ、その本質であるバイクの楽しさが存分に味わえるのです。さらには、そのコストパフォーマンスの良さが、お財布に優しく、余裕が生まれた予算を使って自分だけの特別なカスタムを楽しむこともできるでしょう。
要するに、このバイクはカスタマイズの基盤としては申し分なく、バイクそのものが前面に出るのではなく、ライダー自身が輝けるステキな一台です。
SV650の共通問題点について
SV650に関わる既知の問題点についての説明を承りました。リコール情報を除外した場合、このバイクは長年の改良を経て信頼性が高く、故障しにくい構造を持っています。
一方で、独特のエンジンの鼓動に魅了されると、「鈴菌」と呼ばれる症状に陥るリスクも指摘されています。SV650を検討されている方は、ショップでの実物確認や試乗から初めてみることをお勧めします。
最後まで記事をご覧いただき、ありがとうございました。