エンジンオイルに関しては、全量交換するか、補充するだけで良いのかという様々な意見が存在します。さらに、エンジンのタイプによってはエンジンオイルにまつわる誤解も多く見られますので、適切な知識を身につけて取り組むことが大事です。
2ストエンジンオイルの継ぎ足しや交換の真実
2ストエンジンを搭載した車両において、エンジンオイルは定期的な交換が不要であり、その代わりにオイルの減少に応じて補充するだけで済む、という説に耳を傾けたことがある方も少なくないでしょう。このような情報はまるで都市伝説のようですが、実はこれは正確な情報です。
2ストエンジンはエンジンオイルが燃焼過程で消費されるため、オイルが劣化することなく、消費に応じて補充することでエンジンを適切に潤滑することができます。特に、2ストバイクは走行に伴い白い煙を排出することがありますが、これはオイルが燃えている際の典型的な現象です。
ただし、ギアオイルについては注意が必要です。ギアオイルは燃えるものではないため、定期的に新しいオイルに交換する必要があります。ギアオイルの交換の目安は以下の通りです。
- 走行距離が1万キロ毎
- 時間経過で24ヶ月毎
これらの基準に従い、ギアオイルは定期的に新しいものに取り替えることをお勧めします。
別メーカーのエンジンオイルを補充する際の注意点
バイクのエンジンオイルが底をつき、補充が必要になった際に、持っているものと同じメーカーのオイルが見つからないことがあるかもしれません。異なるメーカーのオイルを使う場合、粘度などが異なることもありますが、基本的には大きな問題は発生しません。
エンジンオイルのグレードを適切に合わせて使用すれば、化学反応による故障が起きることは極めて少ないです。私が長年バイクメンテナンスの仕事をしている中で、そうしたトラブルに出くわしたことはありません。
実際、オイルのメーカーが同じでないという理由で補充を避けることの方が、エンジントラブルの原因になり得ます。
万が一、より安心してエンジンオイルを管理したい場合には、以下の方法を試してみると良いでしょう。
- 同じ種類のオイルが手に入らない場合は、バイクに残っているオイルを全て廃棄する。
- その後で、異なるメーカーのオイルへと交換する。
エンジンオイルの適切な管理法:継ぎ足しと交換のタイミング
エンジンオイルに関しては補充も可能ですが、その一方で交換を適当な時期に行う必要があります。具体的には、以下のような点を意識します。
- エンジンオイルの交換時期について正確に理解し、常に把握しておくことが重要です。
- 定期交換時期以外でもエンジンオイルが減少していたら、補充することは問題ありません。
長期間にわたって継ぎ足すだけの対応をしていると、エンジンオイルが本来の役割を果たさなくなり、結果的にエンジントラブルの原因となることがあります。
一般的な推奨事項として、エンジンオイルの交換は以下のタイミングで行うと良いでしょう。
- 走行距離が3000キロメートルに達した場合
- 経過時間で6カ月が経過した場合
これらの条件のいずれかに該当した際は交換時期と見なされますが、これ以外の時期にエンジンオイルが減少していれば補充しても差し支えありません。
4ストエンジンのエンジンオイル消費についての誤解
一般的に、4ストエンジンはエンジンオイルを少なく消費すると認識されています。これにより、中には「エンジンオイルの継ぎ足しは不要」とする見解を耳にすることがあります。
ですが、実際には、エンジンオイルが全く減らないわけではなく、消費量が小さいというだけの話です。エンジンオイルの減少に気付いたら、速やかに補充するのが適切な対応です。
- 4ストエンジン
- 水冷エンジン
- 空冷エンジン
これらのエンジンの種類に関わらず、交換時期が来ていなかったとしても、エンジンオイルのレベルが下がっている場合は補充が必要とされています。
実際、4ストエンジンではオイル消費が低いために、油量チェックを怠ってしまいがちです。このことが、エンジントラブルの一因となっている場合があります。したがって、オイルレベルの点検は特に注意を要する部分で、エンジン保護のためにも重要です。
エンジンオイル補充の重要性と減少のリスク
近年のバイクでは昔の2ストロークエンジンの時代と異なり、エンジンオイルがそう頻繁に減るということは少なくなっています。しかしオイルの減少に敏感な方々の間では、オイルが異常に早く減ると訴える声も耳にします。
こうした場合、単純にオイルを補充する作業自体より、何故オイルが激しく消費されるのかという原因究明がより重要視される場合があるのです。例えば多走行による自然な消耗ならば、それほど心配はありませんが、オイル漏れが発生しており、それが深刻な問題に繋がっている可能性もあるからです。
もしオイル減少の原因が明白でない場合は、専門のバイクショップを訪れ、オイル漏れのチェックを受けることをお勧めします。それにより、将来的な大きなトラブルを未然に防ぐことが可能になるでしょう。