Z900RSを新車で手に入れられるか不安ですよね。特に売れ筋のバイクであれば、そうした心配はつきものです。
さて、2023年12月時点でのカワサキプラザからの報告によれば、Z900RSの購入状況は以下の通りです。
- Z900RS通常カラー=比較的在庫があり購入しやすい状況
- Z900RSイエローボール=2~3ヶ月待ちの可能性あり
- Z900RS CAFE=納車時期が未定
- Z900RS SE=予約受付を終了
明らかに、地域ごとに異なる場合もありますが、徐々に供給状況が改善しつつあるようです。
本記事では、Z900RSがなかなか手に入らない理由や、中古市場の状況について、さらに今後購入が難しくなるタイミングについても詳しく解説します。
Z900RSが入手困難な理由を知りたい方は、ぜひお読みください。
- Z900RSは需要と供給のバランスが取れておらず、もともとの生産台数も限られており、特にSEモデルは今でも獲得が困難です。
- また、商品としての転売目的で買われるケースもあるため、市場が歪む一因になっています。
Z900RSの中古車が新車価格を超えるという現象が起こっていますが、今後は価格が下がる可能性があります。しかし、バイク市場のブームが終わると、また状況は変わるかもしれません。
Z900RSが欲しいけれど手に入らないときは、中古車の購入を検討するか、特別なカラーのモデルが欲しい場合は、やや粘り強く探す必要があるでしょう。
今後、Z900RSが購入困難になるかもしれないタイミングとして、次の排ガス規制に伴いモデルチェンジが行われる事が予想されます。
最後に、Z900RSが手に入らない諸事情をまとめた情報を提供しますので、購入を検討している方は参考にしてください。
Z900RSが買えない理由
現在の市場では、Z900RSが購入困難な事態に陥っています。このバイクは非常に人気が高く、その洗練されたデザインと性能のバランスの良さから多くのバイク愛好家に支持されています。しかし、その人気に反して供給が追いつかず、希望する人々が次々と手に入れることができない状況が発生しています。
需要と供給の断絶が課題に
最近数年間、新型コロナウイルスの影響と相まって、バイク市場における需要が急増しており、バイク愛好家の間で再びブームが巻き起こっています。2018年発売以来、高い人気を誇るZ900RSは、このトレンドにより需要がさらに高まりました。しかし同時に、海外の部品の調達が遅れていることもあって、生産が需要に追いついておらず、2023年時点でも入手困難な状況が続いています。
需給状況の具体的な変化をみてみましょう。
バイクブームの推移→ | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
---|---|---|---|---|---|
Z900RS販売台数 | 4,493台 | 4,152台 | 3,985台 | 4,853台 | 6,803台 |
大型バイク販売台数 | 11,804台 | 12,706台 | 13,874台 | 22,578台 | – |
※データは二輪車新聞より
Kawasakiは従来から大型バイク市場において、トップシェアを確保しています。バイクブームの到来で特に2021年度には売り上げ台数が大きく伸び、1万台近い増加が見られました。その結果、供給面が追い付かず増産に踏み切る状況になりました。とはいえ、2023年度の時点でまだ生産が追いついていないことが課題ですが、2024年度にはようやく供給が需要に追いつく見込みだとされています。
大型バイクの生産台数は他の排気量に比べ少なめ
大型バイク、特にZ900RSは、排気量が違うバイクに比べて製造数が少なめの傾向にあるのです。排気量別の他のバイクの販売数を見てもこれははっきりとわかります。
2022年度における各排気量クラスでの販売数の実状をまずは見てみましょう。
排気量 | 250cc1位 | 400ccクラス1位 | 400cc以上1位 |
---|---|---|---|
車種名 | レブル250 | GB350 | Z900RS |
販売台数 | 10,501台 | 12,197台 | 6,803台 |
※データ引用元:二輪車新聞
たとえば、250ccクラスで5年連続1位を誇るレブル250は1万台以上を売り上げ、GB350も増産体制を敷き、1万台を超える生産体制が公表されています。これに対し、大型バイクの生産数が低いと、人気が一点に集中することで品薄状態になりやすく、売り切れ必至の状況に陥りがちなのです。
SEが依然として入手難関に直面
Z900RS/SEは、2023年12月の段階でも予約終了となっています。2021年に限定販売が開始された際は、すぐさま予約が満杯となり、中古市場では高値が付いているため、多くのユーザーにとって手に入れるのが困難な状態です。
正式な生産数は公表されていませんが、数百台程度の小規模生産の噂も流れており、カワサキの公式ウェブサイト上では掲載されているものの、実際には手に入れるのが難しいモデルとなっています。
SEがなぜ購入困難になったのか、その原因を説明いたします。
Z900RS SEが買えない理由はその他の要因もある
転売目的
Z900RS SEが入手困難となった主な要因は、その生産量の少なさにありますが、特に目立ったのが目論見の転売によるものです。
こだわりの50thアニバーサリーモデルとして大注目を集めたZ900RSですが、特にSEモデルは転売屋のターゲットにされがちでした。
2023年12月の時点でのZ900RS SEの中古市場での価格や走行距離を見れば、この問題の実態が判明します。
※Z900RS SEの新車価格は1,705,000円からで、掲載時点での在庫は26台です。
価格※ | 走行距離 | 価格※ | 走行距離 |
---|---|---|---|
279万円 | 3512km | 271万円 | 201km |
243万円 | 373km | 263万円 | 1km |
289万円 | 35km | 254万円 | 0km |
279万円 | 0km | 250万円 | 343km |
269万円 | 1955km | 248万円 | 2296km |
248万円 | 68km | 225万円 | 6671km |
246万円 | 4425km | 244万円 | 531km |
294万円 | 10km | 218万円 | 2974km |
269万円 | 3380km | 276万円 | 15km |
232万円 | 2165km | 257万円 | 28km |
264万円 | 534km | 254万円 | 9km |
255万円 | 890km | 246万円 | 2283km |
221万円 | 2007km | 390万円 | 0km |
※車両価格はGOOバイクに掲載されているものです。
半数以上が1000km未満、さらには100km未満の車両も少なくないことから、転売目的の購入が多いことが推察されます。
実際にZ900RS SEに限らず、限定車種は転売の対象となることがよくあり、レクサスやアルファードなどはその代表例です。
限られた生産数と、転売を狙う人々の存在が、一般の消費者が手に入れにくくなる一因となっているのです。
Z900RSの中古車が新車より高くて買えない?
将来の市場価格の動向
現在、Z900RSの中古車市場では、2023年12月時点でも一部の中古車が新車価格を上回る事態が起こっています。特に高価格を維持しているのは、記念すべき50周年モデル、特別仕様のSE、スタイリッシュなCAFEモデルなどです。
一方で、標準のカラーバリエーションを持つモデルに関しては、価格が下降傾向にあります。標準カラーや人気のイエローボールカラーの供給が安定しているため、これらは比較的手に入れやすくなっていると考えられています。
400ccクラスのバイクで注目されているGB350は、一時期入手困難な状況でしたが、生産量の増加により、現在は普通に購入可能な状態となっています。
Z900RSについても、2024年度は限定モデルが引き続き高価に取引される一方で、標準モデルの中古車価格は適正な範囲に戻ってくると見込まれています。
バイクブームの終焉について
バイク業界が健全な方向へ向かっていると言われていますが、その一つの理由として挙げられるのは、バイクブームが終わりに近づいているという事実です。例えば、Z900RSは依然として現行モデルとして市場に存在し続けています。ブームとは一時的に需要が急増する現象を指しますが、その一方で、やがてはその熱も冷めて需要は下火になるものです。
同様のパターンとして、キャンプブームが挙げられます。一時期はキャンプ場が人で溢れかえっていましたが、今ではその人出も少なくなっているのです。バイクに関しては、経済的な余裕を持つリターンライダーや高年齢層からの需要も見込まれるため、一概に衰退の時期を予測することは難しいですが、ゆくゆくは需要が落ち着くと考えられます。
これを受けてバイク業界は、新たなライダーを増やすために様々な取り組みを行っている状況です。
Z900RSが買えない場合はどうすればいいの?
中古車の選考について
Z900RSという中古車の市場は、多くの選択肢があります。在庫状況をチェックしてみましょう。なお、ここでの情報は2023年12月時点でのグーバイク掲載車のデータに基づいています。
車種名 | 中古車在庫数 | 新車在庫数 | 総在庫数 |
---|---|---|---|
Z900RS | 338台 | 82台 | 420台 |
GB350 | 206台 | 36台 | 242台 |
供給が安定してきたGB350に比べ、Z900RSはより多くの在庫がある模様です。個々の車のカラーと状態に応じて価格が違う場合がありますが、特に旧モデルの特色あるカラーリングを好むなら、中古車の選択も視野にいれると良いでしょう。
現行在庫の多くは仕入れコストが高かった時期に購入された車両が含まれていますので、販売業者としても直ちに価格を下げるのは難しいところです。ただし、中古車在庫は次第に増加しており、供給が安定しつつある現在、価格が徐々に下落している傾向があります。
カラーリングについて
カラーリングはそれぞれのモデルに幅広い選択肢があります。次項でそのカラーリングについて詳しく説明いたします。
火の玉カラーが手に入れば最高!
もしやるなら、火の玉カラーやイエローボール、タイガーラインといったデザインを常に正規品の色で提供してもらえると、私たち消費者は大満足ですが、常にその希望が叶うわけではありません。どうしても特定のカラーが必要であれば、ドレミコレクションから外装セットを購入することが可能です。オリジナルの色と多少の違いはあるものの、価格面で大きな差がある場合は、一度考慮してみると良いかもしれません。
Z900RSが今後買えなくなることはあるの?
将来Z900RSが購入困難になる可能性があるのかといった疑問についての明瞭な情報は現在のところ提供されていません。購入を検討している方は、メーカーや販売店の最新情報に注目するとよいでしょう。
新排ガス規制とバイクモデルの変遷について
KawasakiのZ900RSに限ったことではありませんが、二輪業界全般に及ぶ問題として、今後施行される排ガス規制に既存の多くのバイクが対応できなくなる可能性が指摘されています。現行の排ガス規制は「ユーロ6」として知られており、新たな規制「ユーロ7」に向けて二輪業界も対応を迫られています。なお、二輪車の場合は規格番号が一つ少なく「ユーロ5」が現行基準となっています。
自動車分野では既に「ユーロ7」への移行に関する実施予定時期が公表されており、乗用車では2025年7月、バスやトラックに至っては2027年7月からの適用が決まっています。バイクの規制もこれに従って更新されると考えられるため、2027年から2028年にかけて新規制への移行が見込まれます。この変更に伴い、Z900RSを含む多くのバイクモデルが生産終了に追い込まれる可能性があるのです。
Z900RSは大型バイク分野の中核を担う人気モデルなので、Kawasakiはこの新規制に適応した次世代のモデルを間違いなく発表すると予想されています。
Z900RSが手に入らない理由の概要
Z900RSの在庫状況は改善傾向にありますが、将来にわたって安定供給される保証はありません。そのため、ご購入を検討されている方は、早めにカワサキプラザに訪れることをおすすめします。
最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。