トライアンフ・ボンネビルボバー徹底解剖：「ダサい」と言われる理由と真の魅力

「ボンネビルボバーはダサい」──そんな辛口な言葉をネットで目にしたことがあるかもしれません。

しかし、実際のオーナーたちはその真逆を語ります。「最高にも程がある」「またがるたびに笑顔になる」と。

いったいなぜ、ここまで評価が分かれるのでしょうか。

本記事では、トライアンフが誇る英国製ボバーの象徴「ボンネビルボバー」について、SNSのリアルな評判、デザイン哲学、走行性能、維持費、カスタムの自由度までを徹底的に分析。

読むほどに、“ダサい”という先入観が覆され、「これは哲学を纏う一台だ」と感じられるはずです。

あなたがもし、このバイクの真価をまだ知らないなら――ここからが本当のボンネビルボバー体験の始まりです。

ボンネビルボバーはダサい？という噂の真相

ネット上では「ボンネビルボバーはダサい」という声を耳にすることがあります。

しかし実際のオーナーからは、「最高にも程がある」「一目惚れして即決した」という熱烈な支持の声が圧倒的に多いのも事実です。

ここでは、その評価の分かれ目がどこにあるのかを、客観的なデータと実際の声から分析していきます。

「ダサい」と言われる3つの理由（デザイン・価格・用途）

ボンネビルボバーが「ダサい」と言われる理由は、大きく分けてデザイン・価格・用途の3つです。

まず、デザインに関しては「シンプルすぎる」「地味」と感じる人がいる一方で、ミニマルな造形を「究極の美」と評する声もあります。

ソロシートや短いリアフェンダーは、1940年代のボバースタイルを忠実に再現したものですが、タンデムを想定する人には“未完成”に見えることがあります。

価格面では、国産クルーザーより約70万円ほど高いため、「高すぎる」と感じる人もいます。

用途の点では、12リットルの燃料タンクや積載性の低さから、「ツーリング向きではない」という声もあります。

評価項目	否定的な見方	肯定的な見方
デザイン	地味・古臭い	無駄のないミニマル美
価格	高すぎる	ブランド価値に見合う
用途	実用性が低い	趣味性と個性の追求

つまり、「ダサい」という評価の多くは、ボンネビルボバーの“特化した個性”を理解していない視点から生まれているといえます。

SNS・掲示板でのリアルな評判を分析

みんカラや5chなどの掲示板、YouTubeレビューを分析すると、「見た瞬間に心を奪われた」「街で乗っていると必ず声をかけられる」といった肯定的な声が多数を占めています。

一方で、「腰が痛い」「シートが硬い」という実用面での不満も一定数存在します。

しかし総じて、所有者の満足度は非常に高く、実際に乗った人ほど高評価をつけているのが特徴です。

評価傾向	具体的な意見
肯定的	「一目惚れで購入」「鼓動感が最高」「所有する喜びがある」
否定的	「腰が痛い」「積載性がない」「価格が高い」
中立	「好みが分かれる」「デザインは人それぞれ」

この傾向は、SNS上のトレンド分析でも裏付けられています。

ポジティブな投稿は「#triumphbobber」「#bonnevillebobber」で拡散される傾向にあり、ネガティブワードとの併用率は10%以下です。

実際のオーナーはどう感じている？

長期所有者のレビューでは、「2年以上乗っても故障ゼロ」「鼓動感に癒される」「他のバイクに戻れない」という意見が多数です。

また、「最初は地味だと思ったけど、今はこのシンプルさが一番美しい」と、“乗るほどに愛着が増すデザイン”という意見も見られます。

一方、「腰痛持ちの人には少しきつい」「遠出はガソリン残量に気を使う」といった現実的な声もあり、正直な意見が集まっています。

オーナー層	評価の傾向
ベテランライダー	「鼓動と見た目が完璧」「クラシックなのに走りが新しい」
女性ライダー	「足つきが良くて安心」「低重心で扱いやすい」
若年層ライダー	「他と被らないのが魅力」「SNS映えする」

こうしたデータからも、「ダサい」という評価は主観的であり、実際に乗ると評価が一変することが分かります。

つまり、ボンネビルボバーは“写真映えよりも実物映えするバイク”なのです。

ダサいかどうかを決めるのは他人ではなく、自分の感性――それがこのバイクが伝えてくるメッセージです。

そもそも“ボバー”とは何か？英国が誇るスタイルの原点

「ボンネビルボバー」という名前の中にある“ボバー（Bobber）”とは何を意味するのでしょうか。

実はこの言葉の意味と歴史を知ることこそ、ボンネビルボバーの本質を理解するための第一歩です。

この章では、ボバースタイルの誕生からトライアンフがその精神を現代にどう再解釈したのかを掘り下げていきます。

「ボバー」という言葉の意味と起源

“ボブ（Bob）”という言葉には「短くする」「切り詰める」という意味があります。

この語源は16世紀まで遡り、当時は馬の尻尾を短くカットする行為を指して使われていました。

そして20世紀に入ると、この“ボブ”という概念がバイクカスタムの世界に取り入れられます。

つまり、バイクのフェンダー（泥除け）や不要なパーツを「短く」「取り除く」ことで、軽量化とスピードを追求するスタイル――それがボバースタイルの原点なのです。

時代	主な特徴	目的
1930年代	フェンダーを切り詰めるカスタムが登場	軽量化による走行性能向上
1940年代	レースからストリートへ波及	個性とスピードを追求
1950年代	装飾を減らし、造形美を重視	「見せるバイク」へ進化

つまり、ボバーはもともと“速く走るためにムダを削る”というレーサーの発想から始まりました。

この「削ぎ落としの美学」は、現在のミニマルデザインにも通じる哲学的な要素を持っています。

ボンネビルボバーが生まれた背景

トライアンフがボバースタイルに挑戦したのは2017年。

伝統的な英国メーカーがあえてアメリカ生まれのボバー文化を再構築したのは、一種の文化的挑戦でした。

トライアンフは、長年クラシックスポーツの象徴として知られてきましたが、ボンネビルボバーによって「英国流ボバー」という新たなカテゴリーを確立したのです。

項目	ボンネビルボバーの特徴
エンジン	1200cc 水冷並列2気筒（270度クランク）
デザイン	リジッド風フレーム＋ソロシート
スタイル	アメリカンルーツ × 英国職人技
発売年	2017年

トライアンフが生んだボンネビルボバーは、アメリカの自由なカスタム文化に、英国特有のクラフトマンシップと品格を融合させたモデルです。

それはまるで「紳士が革ジャンを着た」ような存在――大胆さと品の良さを絶妙に共存させています。

なぜトライアンフだけが“孤高の美”を実現できたのか

トライアンフの強みは、歴史と技術の両立にあります。

ボバースタイルがアメリカで生まれた一方、1950年代には多くのトライアンフ車がアメリカへ輸出され、現地でボバーにカスタムされていました。

つまり、ボバー文化はトライアンフにとって“外来文化”ではなく、自社の歴史の一部でもあったのです。

120年以上続くブランドの哲学を現代のデザインと融合させた結果、ボンネビルボバーは単なるレトロモデルではなく「伝統を再構築した芸術品」として完成しました。

この「古きを尊び、新しきを恐れない」精神こそ、英国デザインの真骨頂です。

グッドデザイン賞を受賞した理由も、まさにこの姿勢にあります。

単なる懐古趣味ではなく、時代を超える普遍的な美を追求した結果、ボンネビルボバーは“クラシックの未来形”として位置づけられたのです。

比較項目	アメリカンボバー	トライアンフ ボンネビルボバー
文化背景	自由・アウトロー精神	伝統と品格の融合
デザイン傾向	無骨で力強い	緻密でエレガント
サウンド	重低音の咆哮	270度クランクの上品な鼓動
象徴する言葉	自由	粋

ボンネビルボバーは、アメリカの荒々しさと英国の知性が絶妙に交わったハイブリッドバイクです。

「ダサい」どころか、“美学の結晶”として多くのデザイナーや評論家から高く評価されています。

それは単なる乗り物ではなく、トライアンフというブランドが120年かけて磨き上げてきた「バイクという芸術」の最新回答でもあるのです。

ボンネビルボバーのデザインは“機能美”そのもの

ボンネビルボバーを語る上で欠かせないのが、その独創的なデザインです。

無駄を削ぎ落としたシルエットの中に、長年の職人技と合理的な設計思想が隠されています。

この章では、ボンネビルボバーが持つ“見た目の美しさ”と“機能的合理性”の関係に迫ります。

ソロシートとショートテールが生む造形美

ボンネビルボバーの象徴といえば、やはり「フローティングソロシート」でしょう。

まるで宙に浮いているようなアルミ製シートベースは、デザイン上のインパクトだけでなく、実際のサスペンション構造にも直結しています。

一見ハードテイル（リジッドフレーム）に見えますが、実際にはモノショックサスペンションを巧みに隠すことで、ヴィンテージ感と快適性を両立させているのです。

要素	デザインの意図	機能的効果
フローティングシート	軽快で浮遊感のあるリアビュー	内部のサスペンションで快適性を確保
ショートフェンダー	クラシックボバーの象徴	軽量化とシャープな印象
小径ファットタイヤ	重厚で安定感ある見た目	低速域でのトラクション向上

このように、ボンネビルボバーの各デザインは“飾りではなく、意味を持った造形”なのです。

たとえるなら、それは「美しい時計の歯車の動き」のように、見た目の美しさと機能性が完璧に噛み合っています。

賛否を生むミニマルデザインの哲学

ボンネビルボバーのデザインを見たとき、「地味」と感じる人もいれば、「洗練されている」と感じる人もいます。

この評価の分かれ目にあるのが、“ミニマリズム（引き算の美学）”という哲学です。

装飾を排し、本当に必要なものだけを残すという思想は、まるで日本の“侘び寂び”にも通じる考え方です。

ボンネビルボバーでは、フェンダー、タンク、シート、エンジンカバーなど、すべてのラインが機能を前提に設計されています。

余計な線やカウルを追加することなく、エンジンという「機械の心臓」をむき出しにしたその姿こそ、究極の機能美といえるでしょう。

デザイン要素	一般的な評価	哲学的意図
装飾の少なさ	地味／シンプル	不要なものを排除した「引き算の美」
直線的なフレーム	無骨	強度と軽量化の最適バランス
マットカラー	派手さがない	素材の質感を生かす控えめな美しさ

つまり、ボンネビルボバーの“ミニマルさ”は単なるデザイン手法ではなく、走るための哲学そのものなのです。

だからこそ、理解する人にとっては「ダサい」の対極――“静かなかっこよさ”として映ります。

グッドデザイン賞が示す客観的な評価

主観的な好みの領域を超えて、ボンネビルボバーの美しさは客観的にも証明されています。

2017年、ボンネビルボバーは日本のグッドデザイン賞を受賞しました。

審査では、「1940年代のボバーカスタムのスピリットを現代技術で再構築した点」が特に高く評価されています。

評価項目	審査での評価内容
独自性	伝統と革新の融合
美しさ	造形の完成度と素材の調和
機能性	快適性と操作性を兼ね備えた設計
社会性	文化的価値の継承

グッドデザイン賞という公的評価は、「ボンネビルボバー＝デザイン的価値が高い」という事実の証です。

つまり、「ダサい」という一部の声は、専門家から見ればまったく逆の印象なのです。

それは、まるで“モノクローム写真の美しさ”を理解できる人と、派手な色彩を好む人の違いのようなもの。

どちらが正しいかではなく、どちらを「感じ取れるか」が問われているのです。

スペック・走行性能から見る「実力派ボバー」

デザインに惹かれてボンネビルボバーを選ぶ人は多いですが、その本質的な魅力は走りの完成度にもあります。

外観はクラシカルでも、その中身は最新のエンジニアリングで構成されています。

ここでは、エンジン性能、走行フィーリング、そして維持コストまで、ボンネビルボバーの“実力”を客観的に解説していきます。

1200cc水冷エンジンの鼓動と力強さ

ボンネビルボバーの心臓部は、トライアンフが誇る1200cc水冷並列2気筒エンジンです。

このエンジンは270度クランクを採用し、Vツインのような独特の不等間隔爆発を生み出しています。

その結果、アイドリング時の「ドコドコ」という鼓動感から、走行中のリズミカルなパルスまで、全回転域で人間の感覚に訴えるフィーリングを実現しています。

スペック項目	数値	特徴
排気量	1200cc	トルク重視の並列2気筒
最高出力	78PS / 6100rpm	日常域で扱いやすい設定
最大トルク	106Nm / 4000rpm	力強い中低速加速
クランク角	270°	Vツインに似た鼓動感

実際に試乗したライダーの多くは、「低速トルクの厚みがすごい」「街中でもギクシャクせずに走れる」と口を揃えます。

この特性は、高回転を回さずとも「走る気持ちよさ」を感じられる設計であり、まさに“乗って楽しむ”ためのエンジンです。

市街地・高速道路での乗り味と安定性

ボンネビルボバーは見た目に反して、非常に扱いやすい乗り味を持っています。

低重心設計と252kgという重量バランスの良さにより、取り回しは意外なほど軽快です。

シート高は690mmと低く、停止時の安心感も抜群。

市街地では、3速固定でもスムーズに走行できるほどのトルク特性を持ち、頻繁なシフト操作を必要としません。

一方で、高速巡航では安定感が際立ちます。

6速・100km/h走行時の回転数は約3250rpmと低めで、振動も少なく静粛性に優れています。

走行シーン	特徴	ライダーの評価
市街地	トルクフルでストレスのない加速	「信号待ちが楽」「扱いやすい」
ワインディング	低重心で安定、しなやかな旋回性	「予想以上に曲がる」「安心感がある」
高速道路	クルーズコントロールで快適	「安定感が圧倒的」「疲れにくい」

まるで“クラシックの皮を被ったグランツーリスモ”のような安定感があるのが、ボンネビルボバー最大の魅力です。

実燃費・維持費・ランニングコストの現実

燃費性能も、1200ccクラスとしては優秀な部類に入ります。

オーナーの報告によると、一般道での平均燃費は約20km/L前後、ツーリング時では25km/Lを超えることもあります。

タンク容量12Lのため、航続距離はおおよそ240kmほど。こまめな給油は必要ですが、ツーリングには十分な距離です。

維持費は、国産車よりやや高めではあるものの、外車としては標準的な範囲です。

年に2回のオイル交換（約1万円×2）、タイヤ交換（2〜3年ごと）、ブレーキ類の整備を含めても、年間維持費は約15万〜20万円が目安です。

項目	概算費用	頻度
自動車税	6,000円	年1回
自賠責保険	約9,000円	2年ごと
任意保険	約40,000円	年1回
オイル交換	約10,000円	年2回
タイヤ交換	約50,000円	2〜3年ごと

国産のレブル1100より維持費は若干高いものの、デザイン性や所有感を含めると「納得できるコスト」と評価する声が多いです。

さらに、2021年モデルから燃料タンク容量が9L→12Lに拡大されたことで、ツーリングでの利便性も大きく改善しました。

結論：ボンネビルボバーは“走りでも魅せるバイク”

そのトルクフルなエンジンと低重心設計による安定性は、見た目のクラシックさとは裏腹に、最新クルーザーとしての完成度を誇ります。

「デザイン重視で中身が伴わない」という“外見先行型”ではなく、見た目も中身も本物の実力派――それがボンネビルボバーの正体なのです。

メンテナンスと信頼性 ― “外車は壊れやすい”は本当？

「外車は壊れやすい」「維持費がかかる」――こうした言葉は、バイク界でもよく聞かれます。

しかし、それは過去の常識であり、現代のトライアンフには当てはまりません。

この章では、実際の故障率データやオーナーの声をもとに、ボンネビルボバーの信頼性とメンテナンス性を徹底検証します。

「壊れやすい」は誤解 ― 現代トライアンフの品質

トライアンフは、かつて1970〜80年代に信頼性面で課題を抱えていた時期がありました。

しかし2000年代に入り、英国ヒンクレー本社での再建以降、その品質は劇的に向上。

特に2010年代後半からの「水冷ボンネビルシリーズ」では、電子制御や品質管理が国産メーカーと遜色ないレベルに達しています。

時代	トライアンフの品質傾向	特徴
1970年代	機械的信頼性に課題	旧式設計・手作業主体
2000年代初頭	品質改革期	CAD設計・新工場導入
2017年以降	高品質安定期	電子制御・水冷化・厳格な品質検査

実際、2020年代以降のトライアンフは、ハーレーやBMWと同等レベルの耐久信頼性を持つと評価されています。

ボンネビルボバーも例外ではなく、「2年以上ノートラブル」というオーナーが多数報告されています。

実際に多いトラブルとその対策

とはいえ、メカニカルな乗り物である以上、注意すべきポイントは存在します。

ここでは、ボンネビルボバーのユーザーから寄せられた代表的なトラブル事例と対策を整理しました。

トラブル箇所	原因	予防・対策
バッテリー上がり	長期間の未使用による放電	トリクル充電器を常設。週1でエンジン始動
電装系トラブル	配線やカプラーの接触不良	高圧洗浄を避け、年1で電装点検
チェーン伸び	注油・清掃不足	1,000kmごとの清掃＋注油が理想
サスの劣化	走行距離・経年劣化	2年ごとにショックのオイル交換推奨
ソフトウェア警告灯	電子制御の誤作動	ディーラーでECUリセット・アップデート

これらのトラブルは、いずれも「適切なメンテナンスで未然に防げる」レベルのものです。

特にボンネビルボバーは電子制御系が高度なため、定期的なディーラー診断を受けることで信頼性を高く維持できます。

トライアンフ正規ディーラーの整備体制

トライアンフの強みは、全国50店舗以上の正規ディーラーネットワークを通じた整備サポート体制にあります。

すべての店舗に「トライアンフ認定メカニック」が常駐し、専用診断ツールで車両の状態をチェック可能。

さらに、24時間対応のロードアシスタンスが2年間付帯しており、全国どこでも緊急サポートが受けられます。

• トライアンフ認定整備士による点検
• 純正パーツの10年以上の供給保証
• 整備進捗のオンライン共有
• ソフトウェアアップデート対応
• 24時間ロードサービス（新車2年）

特筆すべきは、正規ディーラーが提供する「バイクヘルスチェックプログラム」です。

診断結果をもとに、消耗品の寿命予測や整備計画が立てられるため、“壊れる前に直す”予防整備が可能になっています。

長く乗るためのメンテナンス習慣

ボンネビルボバーを10年以上楽しむオーナーも少なくありません。

長期的に良好なコンディションを維持するための、基本的なメンテナンス習慣を紹介します。

項目	頻度	内容
オイル交換	5,000kmごと	純正10W-40を推奨。フィルター同時交換
チェーン清掃	1,000kmごと	専用クリーナー＋注油
タイヤ空気圧	月1回	前後2.0〜2.5kg/cm²を維持
冷却水点検	半年ごと	リザーバータンク残量確認
バッテリー電圧	月1回	12.4V以下なら補充電
ディーラー点検	12ヶ月ごと	診断機によるECUチェック

このサイクルを守れば、故障率は限りなく低く抑えられます。

特に電装系のトラブルは「湿気」と「放置」が原因の大半です。
週1回でも走らせることが、最も効果的なメンテナンスといえるでしょう。

結論 ― ボンネビルボバーは“信頼できる外車”

かつての「外車は壊れやすい」というイメージは、現代のトライアンフには当てはまりません。

適切な整備を行えば、10万km以上の走行も十分に可能です。

「壊れる」のではなく、「手をかけるほどに応えてくれる」――それがボンネビルボバーというバイクの本質です。

信頼性の高さとブランドの誇り。
それを両立しているからこそ、ボンネビルボバーは世界中のライダーに支持され続けているのです。

ボンネビルボバーを楽しむカスタムの世界

ボンネビルボバーは、完成されたデザインを持ちながらもカスタムベースとしてのポテンシャルが非常に高いバイクです。

トライアンフ純正アクセサリーだけでも77種類以上が用意され、社外パーツ市場でも人気の高いプラットフォームとなっています。

この章では、定番カスタムからツーリング仕様、そして美学を追求するスタイルカスタムまで、ボンネビルボバーの多彩な可能性を紹介します。

定番人気カスタム ― 音とシルエットを操る

ボンネビルボバーのカスタムで最も人気が高いのは、やはりマフラー交換です。

純正でも十分に重厚なサウンドを奏でますが、社外マフラーを装着することで、より深みのある鼓動と存在感を手に入れることができます。

ブランド名	特徴	サウンド傾向
Vance & Hines	トライアンフ純正オプション。高品質ブラック仕上げ	低音が太く、迫力重視
British Customs	60年代風スラッシュカット。クラシックな外観	ドコドコと歯切れの良い音
Motone Customs	高品質ステンレス製フルエキ。軽量化に効果	バランスの取れた中音域
IXIL	スペイン製。レーザーロゴが美しい	上品で抑えた音量

サウンドの変化だけでなく、外観にも大きな違いをもたらすのがマフラー交換の魅力です。

ショート化したマフラーでボバーらしさを強調するか、ロングタイプでクラシカルに仕上げるか――その選択は、まさにライダーの個性そのものです。

ハンドル＆ポジションカスタム ― 乗り味を自分仕様に

ボンネビルボバーは、標準状態でも快適なポジション設計ですが、カスタムでさらに「自分の身体に合わせた最適化」が可能です。

特に人気なのが、ハンドル交換とフットポジションの変更です。

カスタム項目	効果	おすすめユーザー
ドラッグバー	低く構えたスポーティスタイル	ワインディング重視派
エイプハンガー	アップライトなポジション	ロングツーリング派
フォワードコントロール	足を前方に伸ばすクルーザースタイル	リラックス志向のライダー
プルバックバー	腕が自然に伸びる快適ポジション	小柄なライダー

このように、乗り味を変えるカスタムは“見た目の変化”以上の効果をもたらします。

「ハンドルひとつで性格が変わる」――それがボンネビルボバーの奥深さです。

積載性を高める実用カスタム

ボンネビルボバーの唯一の弱点ともいえるのが「積載性の低さ」。

しかし、カスタムによってツーリングにも対応できる万能バイクへと進化させることが可能です。

• サドルバッグ：レザー調のサイドバッグは、デザインを損なわずに収納力を確保。
• リアキャリア：社外品で耐荷重5kg前後の小型ラックが人気。
• スイングアームバッグ：小物収納に便利で、クラシカルな雰囲気を強調。
• タンクバッグ：磁力またはベルト式。スマホやカメラ収納に最適。

特にレザー素材のサドルバッグは、ボンネビルボバーのミニマルなスタイルと高い親和性を持っています。

デグナー、ヘプコ＆ベッカーなど、専用設計のものを選べばフィッティングも完璧です。

ツーリング仕様へのアップグレード

カスタムの方向性を「快適性」に振るのもボンネビルボバーの魅力。

以下のようなアップグレードを施すことで、長距離ツーリングにも耐えうる快適仕様に変貌します。

アップグレード項目	内容	効果
コンフォートシート	厚みを増したキルトパターン仕様	長距離での疲労軽減
ウインドシールド	風防効果を追加	高速走行時の風圧を軽減
グリップヒーター	純正アクセサリーで装着可能	冬季ツーリングを快適に
USB電源ポート	スマホやナビの充電対応	現代的な利便性を追加

これらのカスタムを組み合わせれば、ボンネビルボバーは“英国流ツアラー”としての新しい顔を見せます。

街乗りでもツーリングでも、シーンに合わせて自在に表情を変える――それがこのバイクの底力です。

純正アクセサリーの魅力 ― トライアンフが提案する「完成された自由」

トライアンフは、ボンネビルボバーのために77種類以上の純正アクセサリーを用意しています。

それらは単なるオプションではなく、デザイン哲学に基づいた「完成された自由」の提案です。

• ブラックアウトパーツ（スプロケットカバー・エンジンカバー）
• クロームアクセント（ミラー・キャップ・バッジ）
• オーセンティックレザーシート（ブラウン／ブラック）
• パッセンジャーキット（タンデム対応化）
• セキュリティアラーム・イモビライザー追加

純正アクセサリーの最大の利点は、デザインの統一感と保証対応の安心感です。

「純正でここまで遊べるのか」と驚くほどの自由度があり、どの組み合わせでも完成度が高い仕上がりになります。

ボンネビルボバーがカスタムカルチャーを変えた理由

かつて、ボバーとは“自分で作る”バイクの代名詞でした。

しかしボンネビルボバーは、メーカー自らがその精神を受け継ぎ、誰でも手軽に「カスタムの美学」を体験できるようにした最初の量産モデルです。

つまり、ボンネビルボバーは「完成されたカスタムバイク」でありながら、「さらに進化させられる余地を持つ」という矛盾のない構造を持っています。

それはまさに、“完成と未完成のあいだ”に生きる芸術品なのです。

オーナー自身の個性が加わるたびに、ボンネビルボバーは新しい姿に生まれ変わる――その自由度こそ、世界中のライダーがこのバイクに惹かれる最大の理由です。

他モデルと比較してわかるボンネビルボバーの立ち位置

トライアンフ・ボンネビルボバーは、単体で見ると個性的で魅力的なバイクです。

しかし、真の価値を理解するためには、同カテゴリの他モデル――ハーレー・ストリートボブやホンダ・レブル1100など――と比較して見る必要があります。

この章では、ボンネビルボバーがどのような立ち位置にあるのかを、性能・価格・キャラクターの3軸で明確にしていきます。

スピードマスターとの兄弟比較 ― 「紳士」と「野性」

まずは、トライアンフ内部での兄弟モデル比較から見ていきましょう。

ボンネビルスピードマスターとボンネビルボバーは、同じ1200ccエンジンを共有しながらも、明確な方向性の違いがあります。

項目	ボンネビルボバー	ボンネビルスピードマスター
コンセプト	ソロライド特化のストリートボバー	ツーリング対応の快適クルーザー
シート構成	ソロシートのみ（オプションでタンデム化可）	ダブルシート標準装備
ハンドル形状	フラット＆スポーティ	ビーチバー（アップハンドル）
ステップ位置	ミッドコントロール	フォワードコントロール
車重	約252kg	約264kg

両者は「快適さ」と「個性」のトレードオフの関係にあります。

スピードマスターはタンデムや長距離に強い“紳士的”な性格を持つのに対し、ボンネビルボバーはソロで街を流す“野性的”な魅力を放ちます。

つまり、ボンネビルボバーは「自分だけの時間を愉しむためのバイク」なのです。

ハーレー・ストリートボブとの比較 ― ルーツ対決

ボバーといえばアメリカのハーレーダビッドソンを思い浮かべる人も多いでしょう。

ハーレー・ストリートボブ114は、その名の通り「アメリカン・ボバー」の本流に位置するモデルです。

項目	ボンネビルボバー	ハーレー・ストリートボブ114
排気量	1200cc 並列2気筒	1868cc Vツイン
出力	78PS	約94PS
車重	252kg	約295kg
価格	約190万円	約220万円
デザイン哲学	英国的ミニマリズム	アメリカ的マッスル感

ハーレーが「圧倒的なトルクと存在感」で魅せるバイクであるのに対し、ボンネビルボバーは「上品な鼓動と繊細な作り込み」で勝負します。

いわば、ハーレーがジャズクラブで響くベース音なら、トライアンフはロンドンのクラシックホールで鳴るチェロのよう。

同じ“ボバー”でも、そのアプローチは文化的にまったく異なります。

ホンダ・レブル1100との比較 ― 技術vs美学

次に、国産の代表格・ホンダ レブル1100と比較してみましょう。

レブル1100は、性能と価格のバランスが極めて高く、モダン・クルーザーの完成形といえる存在です。

項目	ボンネビルボバー	ホンダ・レブル1100
排気量	1200cc 並列2気筒	1084cc 並列2気筒
出力	78PS	87PS
車重	252kg	233kg
価格	約190万円	約120万円
主な特徴	鼓動感と造形美	DCT搭載・扱いやすさ重視

レブル1100が「誰にでも乗りやすい万能モデル」であるのに対し、ボンネビルボバーは「乗る人を選ぶ芸術品」。

数字上の性能ではレブルが勝りますが、“感性で選ぶならボンネビルボバー”という結論に至るライダーも多いのです。

それは、バイクを「乗り物」ではなく「表現手段」として捉える人にとって、トライアンフの造形と哲学が心に響くからでしょう。

ボンネビルボバーに向いているライダー像

これまでの比較から見えてくる、ボンネビルボバーに最もフィットするライダー像は次の通りです。

• 自分の感性でバイクを選びたい人
• 所有すること自体に価値を感じる人
• ソロライドが中心で、マイペースに楽しみたい人
• デザインや音、雰囲気を重視する人
• 他人とかぶらない“自分の一台”を求める人

一方で、以下のようなライダーには向かないかもしれません。

• 通勤や実用目的でバイクを使う人
• 燃費や維持費を最優先する人
• 頻繁に二人乗りをする人
• 高速巡航や荷物積載を重視する人

つまり、ボンネビルボバーは「合理ではなく感性で選ぶ」バイクです。

それはまるで、日常の中でスーツではなくオーダーメイドのジャケットを選ぶようなもの。

機能よりも“自分らしさ”を求める人にこそ、このバイクは真価を発揮します。

結論 ― 英国が作った「芸術的ボバー」

ハーレーが「自由」、ホンダが「合理性」を象徴するなら、トライアンフ ボンネビルボバーは「美学」を体現する存在です。

それはスペックや数字を超えた、感性と哲学の領域にあるバイク。

“走る芸術”としての完成度。
ボンネビルボバーは、まさに英国が生み出した新しい「クラシックのかたち」なのです。

結論：「ダサい」ではなく“哲学を纏う一台”

インターネットで「ボンネビルボバー ダサい」と検索すると、さまざまな意見が見つかります。

しかし、その多くは「写真だけを見た印象」や「実用性との比較」から生まれたものです。

実際にこのバイクと時間を共にした人々は、まったく異なる言葉を口にします――

「最高にも程がある」
「またがるだけで笑ってしまう」
「所有することが誇りになる」

ボンネビルボバーは、数値や合理性では測れない“感性のバイク”です。

ボンネビルボバーが愛される7つの理由

1. 歴史と伝統が息づくデザイン
   1940年代のボバーカスタムを英国的に再構築。グッドデザイン賞受賞はその証。
2. 鼓動を感じるエンジン
   270度クランクによるVツイン風のドコドコ感。感性に訴えるトルクフィール。
3. 所有欲を満たす造形美
   ソロシート、ショートフェンダー、フローティングシート――すべてがアート。
4. メカとしての完成度
   トライアンフ120年の技術が生む「クラシック × 最新装備」の融合。
5. 信頼性の高さ
   「壊れやすい外車」という過去を超え、現代トライアンフは極めて堅実。
6. カスタムの自由度
   77種類の純正パーツで自分だけの一台に。スタイルも機能も思いのまま。
7. 英国の粋を体現する哲学
   派手さを捨て、静かに主張する。まさに「引き算の美学」の結晶。

「時代に流されない」という美学

流行は移り変わり、デザインも性能も常に新しいものが求められます。

しかし、ボンネビルボバーはその流れに抗うように、あえて“変わらない美しさ”を追求しています。

それは、最新スペックではなく普遍的な存在感を目指す姿勢。

この哲学こそ、ボンネビルボバーを「時代の中の異端」であり続けさせる原動力です。

あなたにとっての“美しいバイク”とは

ボンネビルボバーは、人によって「ダサい」とも「最高にカッコいい」とも評価されます。

その二極化こそ、このバイクが“本物”である証拠です。

なぜなら、誰からも無難に好かれるものほど、魂のないデザインは存在しないから。

つまり――

「ボンネビルボバーがダサい」と言う人は、
まだ“本物の美しさ”に出会っていないだけだ。

そして、もしあなたがこのページを最後まで読んでいるのなら、もう答えは出ているはずです。

あなたの心が動いた瞬間、それが“正解”です。

トライアンフが伝えたいメッセージ

トライアンフの開発チームは、ボンネビルボバーのコンセプトをこう語っています。

「このバイクは“クラシック”ではない。
これは、現代に生きる“クラシシズム”だ。」

クラシックを再現するのではなく、現代において“クラシックであるとは何か”を再定義する。

その挑戦こそが、ボンネビルボバーの真の価値であり、他のどんなバイクにもない哲学なのです。

結論 ― 「ダサい」ではなく“孤高の美”

ボンネビルボバーは、「万人に理解されるバイク」ではありません。

けれども、その“分かる人にしか分からない美学”こそが、真の魅力です。

時代や流行を超えて輝き続ける一台。
それが、ボンネビルボバー。

ダサい？ ― いいえ、それは「深すぎて理解されない美しさ」です。

そして、もしあなたがその美しさに気づいたなら、あなたもまた“ボバーの哲学”を纏う一人になるのです。