もし大型バイクをお探しなら、リッターバイクよりも扱いやすいミドルクラスの検討をお勧めします。そこで気になるのが、スズキのSV650ですね。
スポーツネイキッドというジャンルに属するこのバイクは、Vツインエンジンのパワフルな鼓動を感じられる一台です。1990年代から市場に出ているSVシリーズは、400ccや650ccといった異なる排気量でファンを獲得してきました。
しかし、一方で「曲がりにくい」という風評や、「購入して後悔した」という声も少なくありません。そのため本日は、バイク専門家としてSV650の真相に迫る紹介をさせていただきます。バイク選びの一助になるよう、詳細をご説明していきます。
SV650は曲がらない?後悔されるポイントは?
SV650のハンドリングについての真実
ある説によると、SV650は曲がるのが苦手だと言われています。しかし、このバイクが曲がるのが全くできないわけでも、初心者には推奨できないレベルなわけでもありません。実際には、わずかなハンドリング特性の違いがあるだけであり、普通にツーリングに出かける上で何の問題もないと言えますので、心配する必要はありません。
それでもなぜSV650は曲がりにくいと思われがちなのでしょうか。以下に、その理由の幾つかを挙げます。
- ホイールベース(軸間距離)が他の同クラスバイクよりも長い
- トレール量が多い(より直進安定性を重視した設計)
- Vツインエンジンによる前後重量配分
軸間距離の違いとその影響
SV650のホイールベースは、同クラスの他のバイクと比べると長めに設計されています。
- SV650: 1,450mm
- MT-07: 1,400mm
わずか5cmの違いですが、この違いはバイクの乗り味に大きく影響します。ホイールベースが長いほど直進安定性は向上しますが、その反面、コーナリング時の反応は鈍くなりがちです。したがって、SV650はわずかに曲がりにくく感じられるのです。
トレール量とハンドリング
トレールとは、ステム(ハンドルの付け根)からフロントタイヤの接地中心までの距離を意味します。トレール量が多いほど、バイクは直進安定に優れますが、コーナーでの機敏な反応は得られにくくなります。俗にスポーツネイキッドバイクと呼ばれるカテゴリのバイクは、トレールを短くして旋回性を高めています。SV650はこのトレールが長めに設計されているため、コーナリング性能がやや低下しています。
- SV650: 106mm
- MT-07: 90mm
このデータからも、MT-07と比べるとSV650はトレールが長いため、曲がりにくさを感じる原因の一つになっています。
Vツインエンジンとハンドリングへの影響
Vツインエンジンの特長として、左右の幅をコンパクトにすることができますが、それにより全長が長くなる傾向があります。全長が長いとエンジンの重心が前後に伸び、結果的にフロントにかかる重量が軽くなります
コーナリングではフロントに重量がかかる方がスムーズに曲げやすいのですが、Vツインエンジンを搭載したSV650ではフロントへの荷重が分散しやすく、その結果、曲がりにくい傾向にあります。
排気量が中途半端な立ち位置のSV650
SV650は650ccという排気量で、中排気量クラスに分類されています。取り回しの良さや燃費効率の面では利点がありますが、使い勝手については一部のライダーから不満が出る可能性があります。
特に、リッターバイクの豊かなパワーに慣れ親しんだ人々は、力不足に感じることが考えられます。一方で、あまり大きな排気量のバイクには乗りたくないというバイカーにとって、SV650は適度な排気量を提供する選択肢となるでしょう。SV650は72馬力を誇り、普段使いの運転では速さに不満を持つことは少ないはずです。
トラスパイプフレームの傷の問題点
SV650に採用されているトラスパイプフレームは、その洗練されたデザインと、軽くて剛性の高さが魅力です。しかし、このような設計は、表面に傷がつきやすいというデメリットがあります。
バイクが倒れたり、交通事故に遭遇すると、フレームに傷が生じやすいのです。そのため、傷だらけのSV650を見掛けることもしばしばあります。転倒時のダメージには十分注意が必要です。
まとめ
SV650についてのうわさや後悔する声を集約しました。利点としては適度な排気量による扱いやすさや、Vツインエンジン独自の魅力が挙げられます。
また、所有者が比較的少ないことも魅力の一つで、中排気量クラスのネイキッドバイクを探している方には推薦できる一台です。