バイクの運転中に行うギアチェンジは、適切な速度で行わなければならない重要な操作です。しかし「どの速度でギアを変更すればベストなのか」と迷う方も少なくありません。
不適切なギアチェンジは事故の原因ともなるため、正しい知識は必須です。そこで、ギアチェンジと速度の適切な関係について詳細にご説明します。
バイクのギアと速度の目安は?
メーターに注目してみてください。1、2、3、4といった数字があり、これらはギアと速度との対応関係を示しています。しかし、必ずしもメーターの表示通りのギアを使わなければならないわけではありません。
これらの表示は単に目安としてメーカーから提供されているものです。もし表示と異なるギアを使用しても、故障の原因にはならないので、ご安心ください。
バイクのギアシフトと速度の関係性
バイクの種類によってギアのセットアップはさまざまですが、一般的に考えられる速度の目安は次のとおりです。
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- 2速:約5~10km/h
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- 3速:約20~30km/h
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- 4速:約30~40km/h
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- 5速:約50~60km/h
これらはあくまで目安であり、実際のギア比はバイクごとに異なります。同じギア比を持つバイクもあれば、異なるものもありますので注意が必要です。ですから、お手持ちのバイクの取扱説明書で具体的なギアの情報を確認することをお勧めします。
運転時のギアチェンジとメーターの確認
運転中、特に初心者がギアチェンジのタイミングや速度を把握するために走行中にメーターをこまめに確認することがあります。一見安全に関わる操作として適切に映るかもしれませんが、そのような行動が事故を招く危険性があるのは覚えておくべきです。
- 前方の車への追突事故
- 歩行者との接触事故
このような事故例が挙げられ、安全な運転を心がける上でメーターチェックは必要最小限に抑えることが望ましいでしょう。
自然なギアチェンジとエンジン音の管理
運転の上達と共に、メーターを見ずとも体感で適切なタイミングでギアチェンジが行えるようになることが重要です。しかし、初心者がギアチェンジを習得している際、エンジンから異音が発生することがあります。
- ノッキング :ギアが速度に対して遅すぎる場合に発生します。
- エンジンブレーキ :ギアが速度に対して低すぎる状態で現れます。
こうした音は運転中たまに発生する程度であれば、エンジンに直ちに重大なダメージを与えるわけではありません。ですが、定期的に繰り返すと問題が生じる可能性があるため、速度に合わせたギアチェンジを体感でマスターすることが望ましいです。
特にエンジンブレーキにおいてはスロットルの開度と半クラッチのバランス調整がうまく行えるようになると、異音を避けることができます。
エンジンブレーキは無理に使用しなくてもOK?
多くの方が教習所で経験されるのは、減速時にはローギアまでシフトダウンして走るという方法ですね。しかし、実際の道路上での運転では、そのようにローギアにまで落とし、エンジンブレーキを無理に利用する必要はないのです。
バイクのブレーキといえば、多くの場合、前輪と後輪ブレーキがメインであり、エンジンブレーキは補助的な役割に留まります。実際には停車する際に2速くらいのギアに落とすだけの人も少なくはないことでしょう。
エンジンブレーキに関する詳細は「バイクのエンジンブレーキとは?使いすぎは危険?」という記事で解説されています。興味がある方は是非ご覧ください。
一般道とギアチェンジと速度
ご自身の運転状況を例に挙げて説明いたします。
- 通常、一般道を運転する際は4速で進む
- 交通の流れが安定し、スムーズに走行できる場合は5速へシフトアップ
- 高速道路のような場合は、6速を利用
また、一般道を運転しているときにブレーキをかける際は、2速まで落としてから停車を行なうことが一般的です。高速道路での停止に際しても、おおよそ3速までギアを下げます。重要なのは、必ずしも最低ギアのローまで落とす必要はないという点です。
4速及び5速でのエンジンストールの可能性について
バイクを運転する際、ギアチェンジに伴い気になるのがエンジンがストールすることです。通常、低いギアで使用する時にエンジンストールが発生することが多く、バイクのメカニズムにおいては4速や5速のような高いギアでエンジンがストールすることは比較的少ないとされています。
ギアチェンジの速さと故障の関連性
以前触れた通り、最新のバイクにおいてはギアチェンジの速さを細かく意識する必要はほとんどありません。エンジン性能が向上しているため、ギアチェンジのタイミングに若干のズレが生じても、故障にはつながらなくなっているのです。
- 感覚的な体感
- エンジン音の変化
これらが自然とあなたをギアチェンジの達人へと導くでしょう。短期間でバイクに慣れることができますし、そのプロセスで故障が生じる心配もないのです。
ギアチェンジの判断方法
先ほども触れた通り、適切なギアチェンジは感覚で理解しなければなりません。加速時には特にギアチェンジが頻発し、これが重大な事故に繋がることがあります。それはメーターを見るのではなく、以下の要素から感覚的に察知する必要があります。
- エンジンの音
- 速度感覚
上記に基づき、エンジンの回転数や適切なギアかどうかを自然に判定できるようになります。加速時にギアを上げる場面では、エンジンが苦しむ前のタイミングで変更を行うなど、自分なりのリズムで慣れていくことが大切です。
ギアチェンジの際、クラッチを切ることでバイクに負担がかかるのか?と疑問に思う方もいるでしょう。ギアチェンジに慣れる方法や、上手に行うコツについては以下のリンクから参考にしてください。