インターネット上には、ヤマハのYZF-R3について「速さに欠ける」とか「期待していたものと異なり、購入を後悔している」といった声が散見されることがあります。
果たしてこのバイクは実際に遅いのでしょうか？購入後に後悔するほど品質が劣っているのでしょうか？この記事ではこれらの疑問について解説していきます。
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YZF-R3は遅い？後悔してしまうことが多いポイント
並列2気筒エンジンのYZF-R3
YZF-R3は、42馬力を誇る並列2気筒エンジンを搭載したモデルです。かつての1980年代から1990年代にかけて圧倒的な人気を博した400ccクラスのレーサーレプリカは、4気筒エンジンで53馬力から59馬力を発揮していました。しかし、時間が経過し、30年から40年が流れた現代において、馬力は以前に比べて低下しています。
その理由の一つは、排ガス規制などの各種規制が厳格化され、環境性能がより重視されていることにあります。確かに、今日ではメーカーの技術が進歩しており、高いパフォーマンスを発揮するバイクを製造すること自体は難しくありません。ただし、厳しい規制の存在がそれを阻んでいます。
メーカーとしては4気筒のスポーツバイクの生産を望んでいるものの、現実的には2気筒でなんとか対応するというのが実情です。42馬力という数値は、バイクとして決して遅いわけではありません。しかし、過去には400ccクラスで53馬力や59馬力を発揮していたことを考慮すると、どこか物足りなさを感じるかもしれません。
320ccのユニークな排気量
YZF-R3は、特徴的な320ccの排気量を備えています。一般的な250ccや400ccとは異なり、やや中途半端な印象を受けるかもしれません。この排気量は、もともと海外市場を対象に開発されたもので、日本にもそのまま導入されたため、このような印象を持つ方もいることでしょう。国内では250ccや400ccがメインストリームであるため、320ccは少し異質に感じられることでしょう。また、この同じ320ccエンジンを搭載するMT-03についても、同じような感想を持つ人がいると思います。
車検について
320ccのバイクを所有すると、車検を受けなければなりません。日本における車検制度では、新車を購入した場合には初の車検が3年後に、中古車を購入した場合には2年毎に実施されるのが一般的です。専門のバイクショップに車検を依頼する場合のコストは、概ね6万円から7万円程度かかることが多く、これは決して安い出費ではないのが実情です。
車検の負担を感じる方には、YZF-R25が適しているかもしれません。このバイクは、その排気量から車検を必要としないため、車検に関連した出費や手間を考えることなく乗り続けることができます。
YZF-R3のスピードに関する本当のところ
「YZF-R3はスピードが出ない」そんな声がよく耳にすることでしょう。実のところ、バイク店にいるとこのような意見は珍しくありません。何故YZF-R3が遅いとのレッテルが貼られてしまうのか、その主な原因は以下の2点にあります。
- 排気量が320ccとこれだけで見ると控えめであること
- エンジンが並列2気筒であるという構造上の特徴
320ccバイクの特徴
320ccのバイクと400ccのモデルを比較した場合、80ccの差異が明らかとなります。リッターバイクにおいては、この差はそれほど顕著でないかもしれませんが、中型バイクの世界では、80ccの違いは無視できないほど大きなものです。
- YZF-R3は42馬力
- CBR400Rは46馬力
- ニンジャ400は48馬力
このように、エンジンの排気量が大きくなることで馬力数にも明らかな違いが生じます。400ccクラスのバイクと並べてみると、その差は一目でわかるレベルです。もちろん、バイクの性能を語る上で馬力が全てというわけではありませんが、少ない排気量のものはやむを得ず馬力が控えめに設定されがちです。
YZF-R3のエンジンについて
YZF-R3は並列2気筒エンジンを採用しています。この2気筒エンジンは、その軽さとトルクの良さで注目されますが、パワーの伸び動向にはある程度の限界が存在するのです。特に高回転領域になると、その弱さが目立ちがちです。
「YZF-R3は遅い」という評価が聞かれることもありますが、その原因は上記のエンジンの特性にあると言えるでしょう。ただし、並列2気筒エンジンそのものが悪いわけではなく、より高出力とスピードを求める方には4気筒のバイクが適しているかもしれません。
現在市場には400ccクラスのフルカウルバイクが少なく車種選びに頭を悩ませることもありますが、250ccクラスであればカワサキが提供するZX-25Rがおすすめです。
YZF-R3のおすすめポイント
YZF-R1を思わせるスポーティなバイク
ヤマハが誇る看板モデルであるYZF-R1を彷彿とさせるデザインのYZF-R3。エアロダイナミクスに基づいて設計された外装は、見た目の魅力はもちろん、性能面でも緻密な計算に基づいています。若かりし頃の自分がYZF-R3に出会っていたら、間違いなく欲しくなったに違いありません。
充実した装備
- 37mm径インナーチューブの倒立式フロントサスペンション
- リアモノクロスサスペンション
- フル液晶メーター
YZF-R3は見た目の魅力はもちろん、パフォーマンスにも優れた特徴を持っています。特筆すべき点はその倒立フォークで、路面に対する追従性能が高く、すでに標準装備として搭載されているのです。標準状態での運転でも、スポーティな走行を堪能できるYZF-R3の魅力の一つです。
2気筒エンジンの魅力とは
2気筒エンジンには幾つかのデメリットがありつつも、多くのメリットがあります。特にその軽さとトルクの良さは際立っています。
| エンジンが軽い | トルクがある | 車幅をコンパクトにできる | 本体金額が安くなる | パワーは出にくい | 高回転域は弱い |
軽量で取り回しが容易でありながらも、トルクフルであることが2気筒エンジンの良さです。最高速度を追い求めることが少ない方には、特にお勧めできる選択肢といえるでしょう。
概要：ヤマハYZF-R3の真実
冒頭に述べるならば、ヤマハのYZF-R3が遅いとの見方を一概には支持できません。入門者に向けたこのバイクの性能は習熟が容易で、さらにその燃費効率の良さにより、初めてスポーツバイクに触れる人々には理想的な選択肢となり得ます。ただ、速さに特化したバイクをお望みのライダーには、そのパフォーマンスは少し物足りないかもしれません。
