バイク乗りの間でコストパフォーマンスが評価されているOGKカブトのヘルメット。しかし、高級ブランドであるアライやSHOEIと比較すると、一体どうしてより手頃な価格で提供されているのか、気になる方も少なくないでしょう。
この疑問にお答えするため、結局のところ、使用素材の違い、オンラインでの割引販売、製造地域の差異、さらには企業の戦略面の考察を交えて、説明を加えていきます。
それはさておき、OGKカブトの製品は他のメーカーと比べても比較的高い価格帯に設定されているという事実を忘れてはいけません。では、なぜOGKカブトはよりリーズナブルなのでしょうか。その秘密に迫るため、競合他社との価格差を分析しつつ、詳細に解説を進めていきます。
OGKカブトのヘルメットがなぜお得なのかを深く知りたいという方は、この記事をぜひ参考にしてください。
OGKカブトヘルメットが安い理由は素材?
OGKカブト製のヘルメットがリーズナブルな価格で提供されている背景には、使用されている素材の選択が関係しているかもしれません。
通信販売の割引率が注目されるヘルメット価格
ヘルメットのコストにもっとも影響を与える要因は素材です。特にシェル(外殻)が大部分を占めています。各メーカーのシェル素材を比較してみましょう。
OGKカブト | アライ | SHOEI |
---|---|---|
FRP(F-17、RT-33X AEROBLADE-6シリーズのみ) |
完全FRP | 全部FRP |
高強度有機繊維を積層 | スーパーファイバー | 高性能有機繊維を積層 |
アライの製品が高価になる理由の一つは、FRP素材の中でも高級なスーパーファイバーを採用している点です。
SHOEIは、高性能な有機繊維を使っていることが公式サイトで述べられており、OGKカブトの特定の3商品はそれと同等な質を持っている可能性があります。
SHOEIはまた、衝撃吸収ライナーにもこだわり、2層構造や多層発泡などの工夫を凝らしているため、価格にも差がつく要因となっているでしょう。
一方で、OGKカブトは内装にCOOLMAXを採用し、上位モデルでは素材や性能で他2社と比較しても差がつけづらいです。
実際にOGKカブトのハイエンドモデルはアライやSHOEIとほぼ同じ定価で取引されています。
OGKカブト | アライ | SHOEI |
---|---|---|
F-17 | RX-7X | Z-8 |
JIS、MFJ | JIS, スネル | JIS |
定価57,200円~ | 定価63,800円~ | 定価58,300円~ |
Amazon 45,700円~ | Amazon 61,300円~ | – |
通販での割引の存在によって価格差が生じているのは明らかです。メーカーの提示する定価と小売業者が購入する卸売価格には違いがあります。
高い卸価格で購入して安価に販売することはできませんので、アライやSHOEIよりもOGKカブトの仕入れ価格が安く設定されているのは間違いないでしょう。
結局のところ、ヘルメットの性能や素材での価格差よりも、販売のシステムによって割安に購入できることが、OGKカブトの製品が他よりも安価な一因であると言えそうです。
各モデルごとの素材内容は?
公式サイトにはトップ3モデルのみ素材が明記されていましたが、より多くの製品に関する情報を求めて直接メーカーに確認しました。以下は2023年9月時点での情報です。
モデル名 | 素材 | 規格 |
---|---|---|
F-17シリーズ | FRP(A.C.T.2) | JIS MFJ公認 |
RT-33X | FRP(A.C.T) | JIS MFJ公認 |
AEROBLADE-6シリーズ | FRP(A.C.T) | JIS |
KAMUI-3シリーズ | ABS | JIS |
SHUMAシリーズ | ABS | JIS |
RYUKIシリーズ | ABS | SG |
EXCEEDシリーズ | ABS | JIS |
AVAND2シリーズ | ABS | JIS |
一般的に、FRP製の製品は加工が複雑であり、高価な素材を使用しているため、FRP製ヘルメットの市場価格は高くなりがちです。これに対して、ABSは比較的安価な素材であり、コスト削減に適していると言えます。ただし、性能についてはFRPに劣る面もあるのは事実です。
しかしOGKカブト製のABS素材のヘルメットはJIS規格を取得しているため、安価帯のABSヘルメットとは一線を画しています。カムイ3シリーズやリューキ、エクシードなどの人気モデルは、アライやSHOEIと比較しても素材の観点から見て価格が低いことが理解できます。
一方で、F-17やRT-33X、AEROBLADE6シリーズといったモデルは、そのコストパフォーマンスにおいてはかなり高いと評価されるべきです。
OGKカブトヘルメットが安い理由は生産国?
中国製の安全性について
OGKカブトのヘルメットは、主に中国の青島に位置する工場で製造されています。これに対し、アライやSHOEIのような他社製品は日本国内での生産を続けており、価格面でOGKカブトの製品が若干安価になるというのは間違いありません。
かつては、2019年まで青島工場で素材を作り、国内の東大阪工場で組み立てを行っており「メイドインジャパン」という称号を保持していました。しかし、JIS認証の取り消しによって現状では「中国産」というラベルが付くことになりました。
ただし、大阪の工場ではJIS規格の再取得を目指しており、これが実現すれば再び「メイドインジャパン」と表記できる時が来るでしょう。青島のOGKカブト工場はJIS認定を受けており、中国製品であっても品質が高いことが保証されています。
ヘルメットの品質に関しては、大きく2種類のパターンがあります:
- 中国でJIS認証を受けていない工場で生産された後、日本で認証(SG、PSCなど)を取得した製品
- 中国のJIS認定工場で生産されたヘルメット
上記の2パターンでは、品質に顕著な差が出ています。特に低価格なヘルメットは、耐久性に欠けるとのレビューがしばしば見受けられ、実際に早期に故障する経験をした消費者も存在しています。
JIS規格とは日本独自の品質基準
一部の日本人は、「中国製品=品質が劣る」や「中国製品=価格が安い」というイメージを持っているかもしれません。しかし、OGKカブトの製品に関して言えば、そうした心配は無用です。
なぜなら、OGKカブトが採用しているのは、国産水準の「製品品質」と「品質管理システム」です。それらは、日本国内で定められたJIS規格に則っています。
中国の基準に基づいて製造されている製品であれば問題視されるかもしれませんが、JIS認証を受けた商品は、たとえ中国で生産されているとしても、日本国内で作られている製品と質的に同等だと言えるでしょう。
中国製品の価格変動について
バイク愛好家の間でも語られることですが、「昔のOGKカブトはより手頃だった」との印象を持つ方がいらっしゃるのは当然のことかもしれません。
その理由は、中国がすでに日本を超え、世界経済の第2位の国としての地位を築いているからです。人件費をはじめとするコストや品質の面で、中国は日本に引けを取らない状況にあります。
Amazonなどのオンラインプラットフォームで目にする安価な商品においては、中国製が以前ほど安価ではなくなっており、実際にはバングラディッシュ製などのより価格の抑えられた製品が目立つようになってきました。こうした格安品の生産地は、中国から他の発展途上国へとシフトしつつあるのです。
OGKカブトヘルメットが安い理由は企業戦略?
OGKカブトの特徴と市場戦略
市場においては、アライとSHOEIが国内バイク用ヘルメットのトップブランドとして広く知られています。OGKカブトも彼らと同等の品質を保持している可能性は充分ありますが、ビジネスの観点からは彼らが既に獲得している顧客層をターゲットにするより、異なる市場セグメントへ焦点を当てることが収益性を高める鍵となります。
具体的な価格帯を以下に示します。
ユーザー層 | 価格帯 | メーカー |
---|---|---|
1 | 5万円~ | アライ、SHOEI |
2 | 2万円~5万円 | OGKカブト |
3 | 1万円前後 | ― |
4 | 1万円以下 | ― |
OGKカブトの商品価格は幅広いライダー層に購入がしやすい点が大きな魅力と言えます。アライとSHOEIの品質と性能は確かに高い水準ですが、それに伴う価格設定には不満を感じるユーザーもいるでしょう。
OGKカブトでは高価格帯のユーザーにも魅力的な価格と品質を提供し、またより低価格な製品を求めるユーザーにも手が出しやすい価格を設定しています。
レビューには「普段は安価なヘルメットを使っているが、品質の高いメーカー品に切り替えたい」「初めてのバイクヘルメットとしての選択」「アライやSHOEIからの乗り換え」といった声が寄せられています。
筆者は、もしOGKカブトが性能のみを重視しアライやSHOEIと同じ価格帯で競っていたら、現在ほどの人気は得られなかったと考えています。
OGKカブトの特異なポジション
OGKカブトには競合他社には見られないユニークな特長があります。それは、バイクヘルメットだけでなく、生活の身近な場面での親しみやすさにあります。
その代表例としては自転車アクセサリーが挙げられます。たとえば、多くの若者が通学時に身に着けるヘルメットがOGKカブト製であることが多いですし、お子様のいるご家庭では、子供用ヘルメットや自転車用チャイルドシートをご利用いただいているケースも少なくありません。
ひとつの家庭に少なくともひとつはOGKカブトの製品があるというのは、他のメーカーとは一線を画す特徴であり、その認知度は他社と比べても高いと言えるでしょう。
OGKカブトヘルメットが選ばれる理由
OGKカブトは日本の代表的なヘルメットブランドとして、多くの愛用者に支持されています。安価な価格設定でありながらも、品質への妥協はありません。
安全性能と機能性を重視しつつ、予算を抑えたいと考えている方々にとって、OGKカブトのヘルメットは理想の選択肢とも言えるでしょう。もしOGKカブトのヘルメットにご興味があれば、ぜひ一度検討してみてください。